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廃石膏ボードの再利用技術システムの構築に関する研究(平成 22年度)
Development of recycle technology system for waste gypsum board

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
0910BE003
開始/終了年度
2009~2010年
キーワード(日本語)
廃石膏,有効利用,フッ素溶出,硫化水素ガス
キーワード(英語)
waste Gypsum, recycle, fluoride leaching, Hydrogen sulfide gas

研究概要

現在、一部の再利用を除いて管理型処分場への最終処分しか処理方法がない廃石膏ボードは、大量廃棄時代を目前にして処分費用の高騰による不法投棄の恐れと最終処分量の増大という二重の課題を抱えている。そこで、廃石膏ボードの再生製品である再生石膏について、地盤や海底等の自然空間に地盤安定化資材,建設資材フィラー,魚礁ブロック資材等として使用した場合の環境安全性や環境修復・改善機能を検討し,最終処分を回避できる持続可能な再利用技術システムを構築する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究で取り扱う主要用途(地盤改良資材,農業用ため池堤体改修資材,建設発生土等の改良資材,各種建設資材への添加材,魚礁ブロック資材)に対して、現場適用を想定した実験的研究を行うことにより、再生石膏の資材製品としての力学的性能や藻類定着性能を評価し、既存製品と性能の差異を明らかにする。環境安全性に関しては,フッ素や有害重金属の溶出ならびに捕捉メカズムを解明し,さらに硫化水素非発生条件を明らかにする。これらの実験結果を基に環境安全性を配慮した主要用途への適用技術の評価方法を確立すすることで、環境安全を配慮した再生石膏の再利用用途の提示とその技術基準及び施工基準の素案を提案する。

今年度の研究概要

(1)再生石膏・セメント処理土の有害物質の不溶出化機構をX線回折及びSEMによる内部構造観察から解明する。(2)自然条件の異なるため池数箇所から採取された堤体試料の物理・化学試験結果を解析し,堤体改良資材としての環境安全性を評価する。(3)再生石膏で改良された建設発生土の物理・化学試験結果を基に再生石膏が満たすべき環境安全基準とその試験方法を評価・検討する。(4)再生無水石膏の塗料フィラー材としての環境安全性を評価・確認する。(5)再生石膏利用魚礁ブロックに対する海藻類胞子の着底性・成長性を対象製品と比較検討し,環境安全性を評価する。(6) 硫化水素発生:1年目の培養実験を継続するとともに,得られた結果を基に生活環境への影響を地下水及びガス移動に関して数値解析を行い,環境安全性を評価する。

備考

共同研究者:亀井健史(宮崎大学)、鵜飼恵三(群馬大学)、森 啓年(土木研究所)、今岡 務(広島工業大学)、西嶋 渉(広島大学)、井 真宏(株式会社エフイ石灰)

課題代表者

井上 雄三

担当者