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アスベスト含有建材の選別手法確立と再生砕石の安全性評価に関する研究(平成 23年度)
Study on development a selection method for asbestos containing building materials and evaluation of safety of recycled aggregates

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
1113BE004
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
廃棄物再資源化,廃棄物処理,有害化学物質,品質管理システム
キーワード(英語)
Recycle, Waste treatment, Hazardous chemicals, Quality management system

研究概要

廃コンクリートは再生砕石等として97%が再利用され,砕石利用量の29%を占めているが、アスベストを含有するスレート板等のアスベストの再生砕石への混入が社会問題化しており、その防止と安全性の確保が緊急の課題となっている。本研究では、目視によるアスベスト含有建材の選別除去手法と作業現場等の飛散防止対策及び一連の工程における健康リスクを検討することにより、建築物の解体から再生利用に至るまでの安全性を確保するための判定−選別−飛散防止システムを構築し、リサイクルの推進と環境安全性の両立を図る。そのため、(1)実態調査を行い、アスベスト建材の混入経路と要因を把握する。(2)目視によるアスベスト建材の判定法を確立する。(3)作業現場等における安全対策のため,アスベスト繊維の飛散・流出挙動を把握し,飛散防止対策を提示する。(4)一連の工程におけるアスベスト繊維の飛散量を予測し,人の健康に対するリスクを求める。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

建築物の解体現場や破砕選別を行う中間処理施設等において、アスベスト含有建材の排出および搬入等の実態を調査する。
建材等におけるアスベスト含有の判定を目視により行い、実体顕微鏡による確認、JIS 法による判定結果と比較検証する。目視判定の条件を整理し、判定の正確さとの関係を明らかにする。さらに、誤判定した試料や特徴的な試料の外観等をデータベース化し、目視判定のガイドラインを提示する。
目視によるアスベスト建材判定手法を解体、中間処理搬入、中間処理破砕後等の各工程に導入し,アスベスト含有建材混入防止効果を検証する。各工程における判定の有効性を目視判定の正答率と時間当たり判定量等により評価する。
現場における選別や荷下ろし時におけるアスベスト繊維の飛散量を、散水等による水分や風等の気象条件の影響を加味した飛散実験で評価する。さらに、アスベスト繊維の撒水による流出挙動を検討し,作業時の飛散・流出防止対策を示す。
アスベスト繊維飛散数及びその状況から、人の健康リスクを計算する。アスベスト建材判定手法による選別の効果、作業時等の飛散防止対策の効果について健康リスクを指標として評価する。
がれき類にアスベスト含有建材が混入することを防止する一連の判定−選別−飛散防止システムを、混入した場合の人の健康リスクを考慮した経済的なシステムとして構築する。

今年度の研究概要

実際の建築物解体現場、中間処理施設、再生砕石利用現場を調査し、試料を採取し
てアスベスト含有建材の混入実態を把握するとともに、現場における目視、及び実
態顕微鏡によるアスベスト含有建材の判定手法を確立する。
がれき類破砕時、再生砕石敷設時、使用時等のアスベスト繊維の飛散量測定を行い、
実態を把握する。
様々なアスベスト含有建材を用いてアスベスト繊維の飛散実験を行い、種類別、形
態別の飛散特性を明確にする。
砕石製造ライン、混合廃棄物破砕選別ラインを調査し、アスベスト建材が混入した
場合の各工程における挙動を検討する。
これらにより、建築物解体現場、あるいは中間処理施設の搬入検査においてアスベ
スト含有建材の判定を可能とする。
アスベスト繊維飛散数及びその状況と疫学データから、人の健康リスクを計算す
る。

外部との連携

課題代表者:渡辺洋一(埼玉県環境科学国際センター)
外部連携:埼玉県環境科学国際センター、日本工業大学、長崎大学

課題代表者

山田 正人

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 室長(研究)
  • 京都大学博士(工学)
  • 工学,生物工学,化学工学
portrait

担当者