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震災廃棄物・津波汚泥及びその仮集積・埋立処理によって引き起こされる化学物質汚染の一次スクリーニング(平成 23年度)
The primary screening of chemical pollution caused by earthquake waste, tsunami sludge, and the temporary stockyard

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1113AH001
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
津波被害,仮集積場,水質汚濁
キーワード(英語)
damage by tsunami, temporary dump, water pollution

研究概要

震災による津波被災地域では、汚泥に含まれている化学物質や、津波が無差別に撒き散らした地域内の油や農薬等による汚染の可能性が考えられる。したがって復興初期には、土壌・河川等における化学物質汚染の実態把握がまず必要であり、中長期的には震災廃棄物の仮集積所周辺環境における簡易・迅速な化学物質モニタリングが求められる。
そこで本共同研究では、震災直後の汚泥撤去、震災廃棄物等の仮集積地の汚染実態把握を真っ先に行い、復興作業手順に有効なデータを提供する。続いて中長期的には汚染地域、震災廃棄物処分地の追跡調査を継続的に行い、復興過程におけるリスク管理に資することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

そこで本共同研究では、汚染物質の一次スクリーニングとして、有害汚染物質の化学分析とバイオアッセイを用いた包括的毒性物質の測定を実施する。有害汚染物質の化学分析では、PCB類や農薬類等を含む924物質を収載したGCMS一斉分析データベースによる半定量一次スクリーニングを実施する。バイオアッセイによる毒性試験には、発光細菌毒性試験、AhR受容体結合活性及びCAR結合活性試験並びに遺伝子損傷性試験(umu試験)を適用する。これらのスクリーニング試験によって化学物質汚染の実態を把握するとともに、その対策を検討する。

今年度の研究概要

まず宮城県内の被災市町村各1地点以上について測定地点の設定を行い、環境水等の初期試料を採取する。また震災廃棄物の仮集積場付近の浸出水も採取する(宮城県・国環研)。これらの試料についてGCMS一斉分析データベースによる有機汚染物質及びバイオアッセイによるAhR、CAR結合活性等を測定する(国環研)。一次スクリーニングにより重大な汚染が検出された場合には宮城県に報告、対処法を協議。またホットスポットがあれば継続的なモニタリング地点に設定する。続いて夏季、秋季及び冬季を目途に、設定したモニタリングポイントの試料を採取・測定し、経過観察。一方、震災廃棄物についてその処理過程を把握・記録する。特に埋め立て場所や投棄時期や埋設物内容を記録する(宮城県)。この地域付近の地下水または浸出水について、継続的にモニタリングを実施する。得られた測定結果は、これまでに得た河川水の全国平均値や宮城県河川水の平時データと比較し、そのリスクの把握と対策に資する試料として提供する。

外部との連携

宮城県保健環境センター

課題代表者

中島 大介

  • 環境リスク・健康領域
  • 副領域長
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
portrait

担当者

  • 白石 不二雄