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気候感度に関する不確実性の低減化(平成 24年度)
Towards reducing uncertainty in climate sensitivity

予算区分
CE 文科-振興費
研究課題コード
1216CE003
開始/終了年度
2012~2016年
キーワード(日本語)
地球温暖化
キーワード(英語)
Global warming

研究概要

東京大学大気海洋研究所、国立環境研究所、海洋研究開発機構が共同開発してきた大気海洋結合気候モデルにアンサンブル手法を適用し、気候感度の不確実性を定量化する。また、不確実性が生ずるメカニズムを理解するために感度実験を行い、さらに観測データとの比較を通してモデル出力の検証と不確実性の低減を試みる 。これらにより、統合的な地球環境予測システムを用いた気候変動予測の信頼性向上を図り、気候変動リスク管理に関する国際的な取り組みの進展に貢献することを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本研究課題では、気候感度を制御する気候強制力または気候フィードバックに注目し、それらを決定する上で鍵となるプロセスを同定する。また、同プロセスが気候モデルで適切に表現されているか観測データ等を用いて検証し、プロセスの誤差低減と気候感度推定の不確実性の関連について新しい知見を得ることを目指す。

研究1年目は、衛星データによるモデル出力の気候再現性評価、カプラー技術を用いた物理モジュール差し替えの試行、およびアンサンブル実験の設計と実施を行う。研究2年目は、アンサンブル実験による気候感度不確実性の定量化、および不確実性が生じるメカニズムの解析を行う。研究3年目は、気候強制力または気候フィードバックを決定する上で鍵となるプロセスを探索し、また、同プロセスが気候モデルで適切に表現されているかを検討する。研究4年目は、実験結果の解析と論文化を進めると共に、国外他機関とのモデル間相互比較を実施する。研究5年目は、引き続き実験結果の解析と論文化に取組み、成果の取りまとめを行う。

今年度の研究概要

今年度は研究1年目に相当するため、1)衛星データによるモデル出力の気候再現性評価、2)カプラー技術を用いた物理モジュール差し替えの試行、および3)アンサンブル実験の設計と実施に取り組む。1)においては、気候モデルMIROC5による物理パラメータ摂動実験の出力を解析する。このことにより、モデルによる観測データ再現性を評価するにあたり、物理パラメータ設定に由来する不確実性を考慮することが可能となる。また、MIROC5に組み込まれた衛星シミュレータCOSPの出力を解析することにより、モデルで再現された雲分布について従来よりも厳密な評価を行う。2)においては、物理モジュールの中から特に積雲対流過程に注目し、浅い積雲のパラメタリゼーションをMIROC5に試験的に導入する。3)については、MIROC5の物理過程をMIROC3に差し替えたMulti-Physics-Ensemble を基本として、各々のアンサンブルメンバーでさらに物理パラメータの設定値を摂動させる実験を計画し、試験を開始する。この方法では、モデルのパラメータ設定に由来する不確実性に加えてモデルのプログラム構造に由来する不確実性も考慮することが可能である。

外部との連携

研究代表者:木本昌秀(東京大学)
共同研究機関:東京大学大気海洋研究所、海洋研究開発機構地球環境変動領域

備考

研究代表者:木本昌秀(東京大学)
共同研究機関:東京大学大気海洋研究所、海洋研究開発機構地球環境変動領域

課題代表者

小倉 知夫

  • 地球システム領域
    気候モデリング・解析研究室
  • 室長(研究)
  • 理学博士
  • 物理学,コンピュータ科学,地学
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担当者