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脳におけるレトロトランスポゾン発現の性差と生殖機能(平成 26年度)
The sex difference of retrotransposon expression in the brain and the relation to reproductive function.

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1214CD006
開始/終了年度
2012~2014年
キーワード(日本語)
レトロトランスポゾン,性差,脳
キーワード(英語)
retrotransposon, sex difference, brain

研究概要

染色体上で“コピー・アンド・ペースト”を繰り返す“動く遺伝子”レトロトランスポゾンlong interspersed elemenent-1(LINE-1, L1)は神経系に強く発現しており、体細胞においてもゲノム再編を誘導する。予備的検討から、性的二型性を呈する雄型性行動中枢・視索前野においてL1遺伝子発現に雌雄差があることが見いだせつつある。本研究では、サブテーマ1:どのような機構でL1 の雌雄差が現れるのか、そして、サブテーマ2:その雌雄差が解剖学・行動学・内分泌学的な雌雄差にどこまで直結するのか、明らかにすることで、L1 による体細胞でのゲノム再編が脳の性差形成を修飾するという仮説を証明し、生理機能の性差形成に影響を及ぼす新たな機構の発見を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

L1発現の性差がゲノム再編を介して脳と脳が制御する生理機能の性差形成に関与するか、マウスを用いた動物実験から明らかにする。サブテーマ1ではL1発現・DNA再挿入の雌雄差が形成される機構を分子生物学的手法により解明する。特にレトロトランスポゾンを専門とする連携研究者・石坂幸人博士の協力を仰ぎ、L1のDNA再挿入が起きた細胞を蛍光レポーターで検出できるL1-EGFPトランスジェニック(TG)マウスを用いた解析に力をいれる。サブテーマ2では逆転写酵素阻害剤投与やRNAiによりL1機能を抑制した結果起こる生殖機能の異常を解剖学・行動学・内分泌学的手法により解明する。特に、性行動解析を専門とする連携研究者・山内兄人博士の協力を仰ぎ、多面的な行動指標を用いて性行動における異常を見逃さず検出する。

今年度の研究概要

L1ゲノム再挿入の性差に関して、現在までは遺伝子組換えマウスの利用にこだわって研究をおこなってきたが、それに加えてゲノムDNAを抽出して、直接検討することを開始し、より多面的な検討を行うことを予定している。また、DNAのエピジェネティック修飾がどのようにL1発現の性差につながるのかに関してはより掘り下げて検討を行う予定である。

外部との連携

連携研究者:石坂幸人

連携研究者: 山内兄人

課題代表者

前川 文彦

  • 環境リスク・健康領域
    生体影響評価研究室
  • 上級主幹研究員
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