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古細菌細胞膜脂質の分子レベル放射性炭素分析に基づく海洋DOC炭素循環の実態解明(平成 26年度)
Carbon cycle study of marine DOC using compound specific radiocarbon analysis of archaeal membrane lipids

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1416CD017
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
放射性炭素,炭素循環,古細菌,溶存有機炭素
キーワード(英語)
radiocarbon, carbon cycle, archaea, DOC

研究概要

本研究では自然レベル14Cをトレーサーに用いて、海洋微生物群集による海洋溶存態有機炭素の利用特性および海洋炭素循環における海洋古細菌バイオマスのターンオーバータイムの実測とボックスモデルを利用して、海洋微生物と海洋DOC炭素サイクルの実態について明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

微生物が利用するDOC炭素の利用形態や回転時間をマスバランスモデルとボックスモデルを用い算出し、海洋表層で微生物バイオマスが炭素循環に果たす役割についての定量的な解明を行う。特に、近年注目されている独立栄養古細菌群集が海洋の炭素循環にどのように関与しているのかについて、定量的に明らかにすることを試みる。

今年度の研究概要

大量の海水について異なる粒径サイズのフィルターを用いて採取された微生物膜脂質分子(エーテル脂質(古細菌)、脂肪酸(細菌))の抽出と同定を行う。フィルターは、大容量ソックスレー抽出機により、溶媒可溶脂質成分の全抽出を行い、その後、アルカリけん化処理を行う。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる、中性成分から、古細菌膜脂質由来グリセロールジアルキルグリセロールテトラエーテル(GDGTs: glycerol dialkyl glycerol tetraethers)を、酸性成分より細菌膜脂質由来脂肪酸を分画する。GDGTsは、LC/MSにより定量・同定を行う。脂肪酸は、GC—FIDでの定量、GC/MSでの同定に先立って、メチルエステル化を行う。さらに分子レベル14C測定に先立ち、炭素安定・放射性炭素同位体分析を行う。

課題代表者

内田 昌男

  • 地球システム領域
    動態化学研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(農学)
  • 化学,地学,理学
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