- 予算区分
- AH 地環研
- 研究課題コード
- 1820AH002
- 開始/終了年度
- 2018~2020年
- キーワード(日本語)
- 大気浮遊粉じん,有機成分,長期トレンド
- キーワード(英語)
- total suspended particulate,organic component,long term trend
研究概要
日本における粒子状物質は、これまでにSPMやPM2.5に環境基準が設定され、それらの質量濃度も低下傾向にある。炭素成分は粒子状物質の30%以上を占める粒子状物質の主要成分である。炭素成分は、一次排出だけでなく、大気中で二次生成されることが知られており、発生源・生成過程が非常に複雑である。また人為的に使用される化石燃料の起源だけでなく、生物起源の寄与が比較的大きいことも報告されているが、過去数十年についてこれらの変化について報告は非常に少ない。粒子濃度の減少は様々な法規制として関連していると考えられるが、ダイオキシン類対策特別措置法よる小規模ボイラーや野焼きでのゴミ処理の禁止や、ディーゼル車規制による排ガス規制が、炭素成分の発生源とその寄与を大きく変化させていると推察される。しかし、炭素成分の発生源について過去から現在に至るまでの変化や、規制効果の影響についての知見は少ない。
そこで本研究では、発生源の指標物質となる有機化学成分を測定し、その濃度推移を把握し、東京や名古屋における炭素成分の発生源の変化を把握し、規制等との関わりの調査に資する資料とする。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
過去35年間にわたり東京都内で捕集したTSP試料について、一部測定結果のあるPAHs、ダイオキシン類及び変異原性などのデータの整理を行う。上記試料は6日おきに採取したものであり、35年分で約2,100枚のフィルター試料からなる。これらのうち一部測定データが存在するPAHs類、ダイオキシン類、変異原性及びレアメタル等のデータを整理する。さらに有機化学成分の測定を実施し、おの発生源解析を行う。併せていくつかの発生源指標物質に着目し、長期にわたる発生源の変遷について解析する。
今年度の研究概要
過去35年間にわたり東京都内で捕集したTSP試料について、一部測定結果のあるPAHs、ダイオキシン類及び変異原性などのデータの整理を行う。上記試料は6日おきに採取したものであり、35年分で約2,100枚のフィルター試料からなる。この残存試料の確認と整理と、分析用試料の切り出しを行い測定試料とする。このTSP試料について、シリル誘導体化法による有機化学成分の多成分分析を行い、各有機化学成分の年間変動を把握する。
外部との連携
名古屋市環境科学調査センター
課題代表者
中島 大介
- 環境リスク・健康領域
曝露影響計測研究室 - 室長(研究)
- 博士(薬学)
- 薬学,化学
担当者
-
柳下 真由子