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ベトナムにおける建設廃棄物の適正管理と建廃リサイクル資材を活用した環境浄化及びインフラ整備技術の開発事業(平成 31年度)
Establishment of environmentally sound management of construction and demolition waste and its wise utilization for environmental pollution control and for new recycled construction materials in Vietnam

予算区分
TZ JST-その他
研究課題コード
1822TZ001
開始/終了年度
2018~2022年
キーワード(日本語)
建設廃棄物,ベトナム,適正管理,リサイクル,ビジネスモデル
キーワード(英語)
construction and demolition waste, Vietnam, appropriate management, recycle, business model

研究概要

建設廃棄物の適正管理とリサイクルの持続的発展のためには、?建廃の適正管理、?建廃リサイクル資材の生産、?インフラ整備への利用(リサイクルの促進・定着)、からなる資源循環システムを整備・強化していく必要がある。インフラ整備事業でのリサイクル資材の利用は、建設・解体現場で発生する建廃の分別(ソースコントロール)を促進し、建廃の適正管理をさらに強化するといった正の循環的効果をもたらす。本研究では、建廃リサイクル資材の生産に関して、建設廃棄物から製造されるリサイクル資材(建廃リサイクル資材)の品質基準を整備するとともに、インフラ整備への利用に関して、建廃リサイクルを推進するための戦略的ビジネスモデルを提案し、現地事業での試験的導入を通して、その有効性を検証する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

(1)建廃リサイクル資材の用途別品質の規格化と基準作りに係る活動を実施する。基準整備のための関連部局(科学技術省STAMEQ、商工省)及び関連学協会(ベトナム建材協会など)のメンバーを加えた規格基準策定委員会を設置し、現地での現在ならびに将来の排出実態を考慮して、対象とする建廃リサイクル資材や対象とする用途を検討する。建廃リサイクル資材の用途別品質の規格・基準案(TCVN案)を第4年次終了時までに完了し、STAMEQへの申請を行う。また、建廃リサイクル資材の規格化・基準の建廃関係者への普及のため、講習会・ワークショップを開催する。
(2)建廃リサイクル促進のための「戦略的ビジネスモデルの提案」及びベトナム国家戦略(2025年数値目標建廃リサイクル率50%以上)達成に向けた「建廃の適正管理及びリサイクルのための推進策(ハノイ市)」の提案を行う。戦略的ビジネスモデルは、建設資材の商流、既存のバージン資材に要求される価格・品質等のマーケット調査を行い、競合商品(バージン材)・技術との比較を定量的に把握するための競合分析を実施する。次に、これらの調査分析結果を踏まえて基本戦略を取りまとめ、リサイクル促進のためのビジネスモデルの構築を行う。ビジネスモデルは、「リサイクル資材の付加価値を高めて産業界の積極的な参画を図る自立的アプローチ」と「公共事業等におけるリサイクル資材の大規模消費を可能にする政策誘導型アプローチ」の二つからなり、前者には新規有効技術のビジネス化についても議論する予定である。そして、モデルの有効性を検証するために、相手国官学協会及び民間セクターと連携し、試験的に一定量リサイクル材を製造・販売し、品質管理、各プロセス業務ならびに採算性に関する問題点を把握し、モデルの改善や採算性確保に向けた支援制度に向けての提言を含む報告書を作成する。

今年度の研究概要

(1)ベトナム建廃リサイクルや品質規格に関する基準の素案を作成し、現地の規格基準策定委員会での審議に諮る。
(2)ベトナム国内(ハノイ・ハイフォン)における建設資材、リサイクル材の商流などに関する情報収集を行う。特に、現地の建設資材、建廃リサイクル資材の価格やリサイクル技術および処分に関するコストの情報収集調査を実施し、建廃ビジネスモデルの構築に向けて基礎的な提案を行う。

外部との連携

埼玉大学、埼玉県環境科学国際センター、ベトナム国立建設大学、ベトナム天然資源環境省戦略政策研究所、ハノイ市建設局

課題代表者

石垣 智基

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 生物工学,工学,化学工学
portrait

担当者