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物理選別とエージングを組み合わせた「焼却主灰グリーン改質技術」の確立(平成 31年度)
Establishment of "incineration bottom ash green reforming technology" combining physical sorting and aging

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 3
研究課題コード
1820BA013
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
焼却灰
キーワード(英語)
incinerator bottom ash

研究概要

わが国では一般廃棄物の総排出量や最終処分量は減少傾向にあるが、焼却率や最終処分に占める焼却残渣の割合は、ともに80%近くに達している。そのため、焼却残渣を低コストかつ安定的に処理・リサイクルできる技術の新規開発が一般廃棄物処理を担う自治体から大きく期待されている。そこで本研究は物理選別とエージングを組み合わせることにより、処理の際の投入エネルギーが小さく、かつ、リサイクルにおいても重金属等に起因する環境負荷が抑制された資材へ焼却主灰を改質する「グリーン改質技術」の確立を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

焼却主灰の有害金属量の低減は土木資材、セメント原料、最終処分のいずれにおいても重要である。そこでインプット側のごみ品目に着目して焼却主灰中の有害金属量低減策を具体的に示すとともに、焼却炉から排出された後の対策として、エアテーブルによる金属粒子選別の適用効果を明らかにする。さらに、焼却主灰の環境安全性の更なる向上のために、洗い出しによる量の低減とともに、炭酸化等の不溶化によって溶出抑制を図る促進エージング技術の完成を目指す。以上を通しての有害性低減の目標として、土壌汚染対策法における鉛の含有量基準(150 mg/kg)と溶出量基準(0.01 mg/L)を設定する。そして研究全体を通して得られた技術内容や適用方策を焼却主灰グリーン改質技術導入ガイドラインにとりまとめる。

今年度の研究概要

焼却残渣の最適な処理・処分・リサイクル方策で満足するべき有害物質の含有・溶出量や物理・力学特性等の品質基準を設定し、他のSTで得られる改質主灰の評価を実施する。焼却対象ごみの金属含有量分析をごみ品目毎に重ね、データの精度を高める。また、焼却ごみ品目の異なる焼却施設から焼却主灰ならびに落じん灰を収集し、各灰の金属含有量や金属存在形態を明らかにする。焼却主灰の金属形態に着目して、灰粒子の破砕処理による貴金属回収可能性を検討する。改質主灰の屋外試験を実施し、金属除去とエージングによる改質効果を明らかにする。

外部との連携

東京都環境科学研究所、鳥取県衛生環境研究所、福岡大学、株式会社フジタ

課題代表者

肴倉 宏史

  • 資源循環領域
    試験評価・適正管理研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 工学
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