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国際観測網への発展を可能とするGOSAT-2の微小粒子状物質及び黒色炭素量推定データの評価手法の開発(令和 2年度)
Development of GOSAT-2 PM2.5 and BC product validation methodology applicable to an international observation network

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 2-1901(3)
研究課題コード
1921BA015
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
GOSAT-2,PM2.5,黒色炭素量,評価
キーワード(英語)
GOSAT-2,PM2.5,black carbon,validation

研究概要

本研究は、GOSAT-2の微小粒子状物質(PM2.5)及び黒色炭素(BC)量推定データの評価手法を開発することを目的とする。独自の国際観測網(SKYNET)を基盤に、GOSAT-2のエアロゾル観測の重要なターゲット域である都市域(千葉)に充実した地上観測機器群・最先端のアルゴリズムを有す、本研究チームが独自の切り口で取り組む研究である。GOSATプロジェクトで検証を実施している中心メンバーの参画を活かし、開発した評価手法は国際観測網に展開させる方法論として確立させることを目指す。本研究では、また、GOSAT-2/TANSO-CAI-2のアルゴリズム開発者が参画することで、その観測方式および推計手法を十分理解した上で、PM2.5及びBC量の推計結果の比較評価手法を検討・開発する。また、その手法を用いて実際の衛星観測データを評価する。なお、評価手法には、他の衛星、地上観測を利用し、観測場所や測定方式等の特徴を活かす方法を採用する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

 本研究は、GOSAT-2 のエアロゾル観測の重要なターゲット域である都市域であり、かつ、既に充実した地上観測機器群を有す、SKYNET 千葉サイトでの通年連続観測及び集中観測により、GOSAT-2 のPM2.5及びBC 量推定データの評価手法を開発し、その評価手法を国際観測網に展開させる方法論として確立・提案することを最終目標とする。国際観測網へと発展することにより、多地点を活用したロバストな評価が可能になる。国際観測網としてはGOSAT 関連事業に関わりが深く、スカイラジオメータが配備されているSKYNET 観測網やTCCON 観測網を想定する。本研究は、サブテーマ1 地上観測によるGOSAT-2 プロダクトの評価手法の検討と開発、サブテーマ2 アルゴリズム研究及び他衛星データとの比較によるGOSAT-2 プロダクトの誤差解析、サブテーマ3 GOSAT-2 のPM2.5/BC データ評価手法の提案で構成されており、国立環境研究所はサブテーマ3を担当する。
 サブテーマ3では、サブテーマ1 で開発した評価手法を国際観測網に展開させる方法論として確立・提案する。この最終目標を達成し、本研究によって提案された評価手法とGOSAT-2 プロジェクトの検証事業で想定している、あるいは議論されている手法を用いて総合的に評価することで、GOSAT-2 によるPM2.5 及びBC 量の推計の信頼性向上が期待される。また、GOSAT-2 データのみならず、GOSAT シリーズのデータの利活用が促進されると共に、これらの物質のより精緻な分布状況や発生地域の把握に貢献することが可能となり、全球規模での排出抑制効果が期待される。これらの波及効果を念頭に、サブテーマ1 や2 との密な連携によって相互の情報共有を強化して、適切なサポートを介すなどして、最終目標達成を目指す。

今年度の研究概要

GOSAT-2 プロジェクトの検証事業での最新の議論を纏めると共に、特にGOSAT-2事業のフルサクセスクライテリアを念頭に、関連の地上観測・データ解析及びアルゴリズム誤差解析等のサポートを行う。

外部との連携

課題代表者及びサブテーマ1リーダー:千葉大学入江仁士准教授。サブテーマ2リーダー:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構橋本真喜子研究開発員。

関連する研究課題

課題代表者

森野 勇

  • 地球システム領域
    衛星観測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士 (理学)
  • 物理学,化学
portrait

担当者