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気候モデルにおける対流表現と雲フィードバック・気候感度の関係(令和 3年度)
Representation of convection in climate models in association with cloud feedback and climate sensitivity

研究課題コード
2022CD004
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
気候感度,雲フィードバック,対流
キーワード(英語)
climate sensitivity,cloud feedback,convection

研究概要

二酸化炭素倍増時の気温上昇量で定義される気候感度には1.5〜4.5℃の大きな不確実性があり、温暖化の緩和・適応に関わる判断を困難にしている。不確実性の最大の要因は、熱帯海上に広がる下層雲の応答(フィードバック)が気候モデルごとに異なることである。一方、気候感度の値はモデルの対流の表現方法の設計に大きく依存することが知られている。本課題では、気候モデルの対流設計に着目して、世界の気候モデルの結果(CMIP)の解析と、日本の気候モデルMIROC6の数値実験を行い、対流が雲量を変化させ、雲フィードバックと気候感度に影響する仕組みを明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

2020年度
世界の気候モデル(CMIP3、5、6)のマルチモデルによる過去再現実験と将来予測実験データの解析を行う。CMIPの月平均・日平均データを整備し、気候感度の異なるモデルの対流特性や設計を比較する。結果をまとめて、国際学術誌で発表する。

2021年度
東大/国立環境研/JAMSTECの気候モデルMIROC6を用いて、対流に関わるパラメータを変化させる感度実験を行う。例えば、MIROC6では、対流エネルギーは大気不安定度に比例するが、その比例定数パラメータが異なる実験を行う。その時、対流・雲・気候感度を関連付けるプロセスがどの様に変化するかを調べる。

2022年度
CMIP3、5、6データ、MIROC6の感度実験結果の解析を行う。解析結果から、対流が雲フィードバックと気候感度に影響を与える仕組みについて理解を進める。これまでの成果をとりまとめて国際学術誌で発表する。

今年度の研究概要

東大/国立環境研/JAMSTECの気候モデルMIROCで、降水プロセスを変化させる改良が行われた。この変化に伴い、気候感度に関わる雲フィードバックがどの様に変ったかを調べる。結果をまとめて、国際学術誌に投稿する。

課題代表者

廣田 渚郎

  • 地球システム領域
    気候モデリング・解析研究室
  • 主任研究員
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