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降水量の将来変化予測の不確実性低減に関する研究(令和 3年度)
Uncertainty constraints on future precipitation change projections

予算区分
基盤研究(B)(一般)
研究課題コード
2123CD007
開始/終了年度
2021~2023年
キーワード(日本語)
気候変動,気候モデル,不確実性
キーワード(英語)
climate change,climate model,uncertainty

研究概要

将来の気候変化による影響を評価し、対策を検討するためには、気温だけでなく、降水量の変化に関しても精度の高い将来予測が必要になる。しかし、気候モデルによる降水量の将来変化予測は、気温変化予測よりもモデル間のばらつき(不確実性)が大きいことが知られている。気候変化予測の不確実性を低減する方法として、気候モデルの将来予測実験と相関の高い現在気候の指標を探り、その指標が観測値から外れたモデルは将来予測の信頼性も低いと評価するEmergent constraint (以下EC)が注目を集めている。特に世界平均気温変化の不確実性低減を目指すEC研究は活発に行われてきた。一方、世界平均降水量変化に関するEC研究はハードルが高く、これまでに成功例はない。本課題では、世界平均降水量変化に関するECを提案し、将来予測の不確実性を低減することを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

将来予測の不確実性を制約するためには、将来予測と相関が高く、かつ観測が可能な現在気候の指標を見つける必要がある。そのためにまずは、既存のEmergent constraintの研究をレビューと並行してデータを収集する。そのうえで様々なEC指標の候補が将来予測と良い相関関係を持つかを調べる。次に見つかった指標が良い相関関係をもつメカニズムを明らかにする。最後に、複数の観測データと比較することで、予測の不確実性を低減する。


今年度の研究概要

将来予測の不確実性を制約するためには、将来予測と相関が高く、かつ観測が可能な現在気候の指標を見つける必要がある。そのためにまず本年度は、既存のEmergent constraintの研究をレビューしながら、CMIP5とCMIP6の膨大なモデル実験データを収集し、様々なEC指標の候補が将来予測と良い相関関係を持つかを調べる。またモデル実験と比較するために必要な衛星観測データや地上観測データの収集を行う。

外部との連携

渡部雅浩(東京大学・大気海洋研究所・教授)
金炯俊 (東京大学・生産技術研究所・特任准教授)

課題代表者

塩竈 秀夫

  • 地球システム領域
    地球システムリスク解析研究室
  • 室長(研究)
  • 理学博士
  • 地学,理学
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担当者