- 研究課題コード
- 1921CD029
- 開始/終了年度
- 2019~2021年
- キーワード(日本語)
- 大気汚染,気候変動,森林
- キーワード(英語)
- Air pollution,Climate change,Forest
研究概要
記録的短時間大雨による甚大な山地災害が多発している.地球温暖化に伴う海洋水蒸気量の増大が指摘されているが,山間部豪雨の生成機構は不明である.山間部特有な現象として霧の頻繁な発生がある.また,植物起源一次粒子,生物揮発性有機化合物からの二次粒子があり,重要な雲凝結核・氷晶核になる.酸性霧や大気汚染物質が森林生態系を脆弱化させ,被害を拡大させている可能性もある.本研究では,山間部豪雨の実態解明,森林大気特有の雲凝結核の同定を行い,霧発生や山間部豪雨に及ぼす影響を解明する.また,全国山間部の霧沈着マップを作成し,国内汚染および越境大気汚染の評価とともに,森林生態系の健全性との関係を明らかにする.
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
受動型霧水採取装置を製作し、地方環境研究機関等の協力のもとに山地森林の調査地に設置を行い、定期的に林内雨・林外雨・霧水の採取を行う。研究参画機関と分担し、採取された水の分析を行う。全国の複数の地点でサンプリングネットワークを構築し、霧沈着のマップを作成する。国立環境研究所内の人工光実験室において、pH条件を変えた酸性霧をブナの苗木に長期的に暴露し、影響を評価する。暴露後の葉を試験体とし、酸性霧によるストレスの遺伝子発現の調査に供する。
今年度の研究概要
地方自治体の環境研究機関や大学の協力のもとに、全国の山地森林に林内雨・林外雨・霧水の採取装置の設置をすすめ、大学と共同で成分の分析と結果の解析をすすめる。
外部との連携
大河内 博(早稲田大学,課題代表)・井川 学(神奈川大学)・戸田 敬(熊本大学)・佐瀬 裕之(一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター)・岩崎 貴也(お茶の水女子大学)・村田 浩太郎(埼玉県環境科学国際センター)
- 関連する研究課題
- 25966 : PJ2_地域・国・都市規模における人為起源SLCF及びGHG排出量の定量的評価
- 26006 : 地球システム分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
- 25562 : 地球システム分野(ウ知的研究基盤整備)
課題代表者
高橋 善幸
- 地球システム領域
陸域モニタリング推進室 - 室長(研究)
- 理学博士
- 化学,地学,生物学