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環境試料の長期保存(スペシメンバンキング)(令和 3年度)
Time Capsule Program for Environmental Specimens

研究課題コード
2125AX153
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
スペシメンバンキング,タイムカプセル
キーワード(英語)
Specimen Banking,Time Capsule

研究概要

将来の新たな汚染・環境問題の顕在化に備え、また現在十分な感度、精度で測定できない汚染の進展を将来の進んだ手法で明らかにするために、環境試料の収集、長期保存を継続する。これまで日本沿岸域で行ってきた調査地点と同一の採取点において長期保存試料を作成、分析することで、同一地点での時系列解析に適した保存試料を作成する。保存試料から環境情報を読み出すための計測手法の開発や応用、保存状態の適切さの検証を始めとする保存技術の検討などを通じて、保存試料の価値を更に高め、活用を図る。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

国際的な協調を意識しながら所内外の環境試料バンクと連携を図り、継続的に長期保存試料を収集する。均質性と保存性が担保された地域を代表する試料を調製することで将来的な環境汚染に備えるとともに、試料処理法や保存過程での化学物質の分解性など保存状態の適切さに関する検証試験を実施し、保存開始時における均質性などの試料データを公表する。また、これまで収集した保存試料については、その一部を利用して時系列解析を実施する。保存試料の利活用に向けた情報発信では更なる充実化に取り組む。

各年度における長期保存用の二枚貝採取地域は以下のとおりである。
2021年度:九州・沖縄地方
2022年度:北海道地方
2023年度:東北地方太平洋沿岸から関東地方
2024年度:東北地方日本海沿岸から北陸地方
2025年度:東海地方から近畿地方

今年度の研究概要

九州・沖縄地方周辺の太平洋・東シナ海・日本海沿岸を対象に10ヶ所以上の地点で二枚貝を採取し、凍結粉砕による均質化と長期保存を行うとともに、保存時の試料均質性に関わるデータを公表する。また、残留性を有する化学物質群の分析を通じて、長期保存試料の保存性評価を行う。過去の環境の汚染状況などの復元を目指し、計測対象となりうる保存試料を選び、その計測手法・解析手法を整理する。さらに、保存試料を構成する主成分から微量成分にいたる化学物質情報の電子目録化の検討をはじめる。

備考

研究課題コード:1620AP004(2016〜2020年度)

関連する研究課題
  • 25586 : 基盤計測業務(ウ知的研究基盤整備)

課題代表者

高澤 嘉一

  • 環境リスク・健康領域
    環境標準研究室
  • 室長(研究)
  • 博士 (工学)
  • 工学,化学
portrait

担当者

  • 田中 敦
  • 家田 曜世環境リスク・健康領域
  • 神田 裕子