ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

衛星・地上波・水中通信式テレメトリ手法の統合による琵琶湖在来コイの広域季節回遊の周年追跡(令和 3年度)
A year-round tracking of the large-scale seasonal migration of Lake Biwa native common carp using an integrated multi-path biotelemetry system

研究課題コード
2122AN009
開始/終了年度
2021~2022年
キーワード(日本語)
バイオロギング,バイオテレメトリ,絶滅危惧種,固有種,回遊
キーワード(英語)
bio-logging,biotelemetry,threatened species,endemic species,migration

研究概要

日本在来のコイは大陸導入コイの蔓延により琵琶湖でのみ残存が確認されているが、産卵のために春〜夏に沿岸ヨシ帯を訪れること以外、その生活史はほぼ不明である。本研究は、生活史全体を考慮してこの貴重なコイの保全策を立案することを目的とし、特に夏〜秋の位置情報の取得と、琵琶湖の他のコイ科魚類で示唆されている産卵回帰性の検証を目標とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究では、琵琶湖に残存する希少な日本在来コイを対象とし、その主要な生息場である北湖北部において、動物装着型の機器を用いる複数の調査手法を組み合わせて個体ベースで広域・長期の行動追跡を行う。とくに、これまで情報の得られていない夏〜秋の位置情報、滞在深度、ならびに、翌春の沿岸への産卵回帰性の3点を調査する。2年間の調査を通じて、夏〜秋における2個体、100日以上の滞在深度データの取得と、各個体、沖合で1点以上の位置情報の取得、および翌春の沿岸への産卵回帰の2個体以上の検出を目標とする。

今年度の研究概要

コイの採捕は、4~6月に、琵琶湖沿岸で電気ショッカーを用いて行い、コイの背中にロガーを装着し、腹腔内に超音波発信機を埋め込んで放流する。ロガーは設定期間後に浮上したものを地上波通信で位置を特定して回収する。放流個体の回遊行動モニタリングには、湖岸に設置した超音波受信機および、衛星通信機能付き漂流ブイ(位置を衛星経由で常時監視)に取り付けた超音波受信機を用い、各受信機における個体の検出状況を通年で記録する。

外部との連携

【調査協力】滋賀県琵琶湖環境研究センター、水資源機構 琵琶湖開発総合管理所、せせらぎの郷 須原、水土里ネットしんあさひ

課題代表者

吉田 誠

担当者