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物質フローの重要転換経路の探究と社会的順応策の設計(令和 4年度)
Material flows transition and social adaptation

研究課題コード
2125AA103
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
資源,国際サプライチェーン,科学的目標,物質フロー・ストック,ライフスタイル,モデリング,物質循環
キーワード(英語)
Resoruce,Global supply chain,Science based targets,Material flows and stocks,Life style,Modeling,Material circulation

研究概要

物質フローに起因する環境・社会影響を解析する物質フロー・ネクサスモデルを構築し、物質フローの変革方向性と科学的目標の究明を行い、変革の変遷過程における社会順応策を消費,サプライチェーンおよびインフラに着目して提示する。研究を通じて、プラネタリーヘルスの実現に向けた物質フローの変革に関する科学的知見の集積化と発信に取り組む。モデルにより2100年までの将来シナリオの定量的描画、科学的目標としての許容物質利用量(物質バジェット)の設計に取り組む。シナリオは現世代と将来世代の公平性や高所得国と低所得国の優先性などを配慮し複数作成する。また、シナリオに対する消費者と社会の順応策を検討するため、消費とインフラ整備・更新の相互作用と製品サービスシステムの導入に注目した消費行動モデルを開発し、消費と物質利用の分離メカニズムを解析する。上記を通じて、プラネタリーヘルスの実現に向けた物質フローの変革に関する科学的知見を集積し、それらを取りまとめてオピニオンペーパーを作成・発信することにより、生産および消費者による科学的目標に基づく物質フロー管理の実践を支援する。

全体計画

物質フローの変革の長期的方向性とその科学的目標を導出し、その変遷過程における社会順応策を、サプライチェーン、インフラおよび消費に着目して提示する。3年目までに、物質フローに起因するプラネタリーヘルスへの影響に関する現状分析を行い、両者の関係性について理解を深めてモデル設計に着手し、物質フロー・ネクサスモデルを開発して長期将来シナリオ分析を実施するための手法論的基礎を確立する。5年目までに、将来シナリオに応じた技術、消費形態、物質フロー・ストック等のデータ整備を進め、モデルにより2100年までの物質バジェットの算定とその時間的利用経路をシナリオ別に解析する。その上で、物質バジェットを鑑みたグローバルおよび日本の長期資源生産性・物質循環目標を開発し、物質フローの目標に対する進展や乖離を計測する政策的指標を考案する。更に、消費と物質利用の分離メカニズム、消費者ニーズの充足性や受容性を勘案し、提示する科学的目標に応じた消費と社会の順応策を提示と検証に取り組む。

今年度の研究概要

物質フロー・ネクサスモデルの開発とデータ整備を継続すると共に、金属・セメント等の資源種を対象に、脱炭素社会と整合的な物質フロー・ストックの将来像を世界規模で解明する。加えて、物質フロー革新を促すべく、技術・循環構造の転換と共に、消費者行動の転換を意識した事例研究に取り組む。この為に、インフラを形成するサプライチェーン効果を内包したマテリアルフットプリント算定モデルを構築し、物質消費に伴う炭素排出の経路を分析することで、脱炭素社会への転換に資する物質管理策を提示する。また耐久消費財へのサーキュラーエコノミー施策の導入に伴う消費者行動と製品循環の変化に着目し、物質フローの持続可能な転換につながる施策導入と行動変容の条件を特定する。

課題代表者

中島 謙一

  • 資源循環領域
    国際資源持続性研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,材料工学
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担当者