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環境ストレスによる植物影響評価およびモニタリングに関する研究(令和 4年度)
Study on estimation and monitoring of effects of environmental stresses on plants

研究課題コード
2123AH001
開始/終了年度
2021~2023年
キーワード(日本語)
オゾン,植物モニタリング,ストレス診断
キーワード(英語)
Ozone,Phytomonitoring,Stress diagnosis

研究概要

本研究では、分子的メカニズムに基づくストレス診断によって、野外における植物の環境ストレスに対する影響評価・解析を行い、環境情報の充実と大気環境の保全に取り組むための科学的知見の蓄積を目指す。わが国では多くの大気汚染問題が改善されてきたが、光化学オキシダント(オゾン)については、世界的にも汚染の高濃度化、広域化が進んでおり、人間の健康はもとより、樹木や農作物など植物への深刻な悪影響が強く懸念されている。また最近オゾン発生状況の変化が指摘されている。本共同研究では、中長期的にオゾンによる植物被害の実態を把握するとともに、遺伝子発現解析等による植物のオゾンストレス診断手法を開発・高度化し、実際のオゾンによる植物被害調査に利用を拡大してきた。さらに、低線量環境放射線の植物への影響のゲノム解析による評価も試みてきた。そこで、これまでに開発したストレス診断法等を用いて、各地におけるオゾン等のストレスによる植物影響を評価・解析し、モニタリングを行うとともに、手法の改良を続ける。また、市民の理解を深めるために各地域の特性を考慮しながら研究結果の普及を図っていく。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

1)参加各機関において、7〜8月に共同でオゾンによる植物被害実態調査を実施する。対象植物としては、国環研が供給した単系統のアサガオを用いる。さらに、一部の機関ではオゾンによる被害が指摘されているブナを用いる。
2)野外で生育させたアサガオの葉を、オゾンによる被害が観察される前(5〜6月頃)に採取して(無傷葉)、国環研に送付する。また、7〜8月頃に光化学オキシダント濃度が上昇した翌日に、各調査地点において被害が発現しなかった葉(無被害葉)及び被害が発現した葉(被害葉)を遺伝子解析用に採取し、国環研に送付する。さらに、アサガオ種子を採取し国環研に送付する。
3)代表機関が中心となって各地における大気中のオゾン濃度の状況とその影響について考察し、地域における大気環境保全のありかたについて情報の発信を試みる。
4)国環研において、各機関より送付されたサンプル葉におけるオゾン応答遺伝子の発現を調査する。
5)各地におけるオゾンの影響評価結果をとりまとめ、上記3)の情報発信のためのデータを提供する。

今年度の研究概要

1)参加各機関において、7〜8月に共同でオゾンによる植物被害実態調査を実施する。対象植物としては、国環研が供給した単系統のアサガオを用いる。
2)野外で生育させたアサガオの葉を、オゾンによる被害が観察される前(5〜6月頃)に採取して(無傷葉)、国環研に送付する。また、7〜8月頃に光化学オキシダント濃度が上昇した翌日に、各調査地点において被害が発現しなかった葉(無被害葉)及び被害が発現した葉(被害葉)を遺伝子解析用に採取し、国環研に送付する。さらに、アサガオ種子を採取し国環研に送付する。
3)代表機関では各機関で実施したオゾンによる植物被害調査の結果とオゾン濃度等の情報を収集し、とりまとめる。
4)国環研において、各機関より送付されたサンプル葉におけるオゾン応答遺伝子の発現を調査する。
5)先行研究で得られた前年までの結果との比較検討を行うとともに、使用する遺伝子の選定など診断手法の改良を行う。

外部との連携

札幌市保健福祉局衛生研究所
福島県環境創造センター
埼玉県環境科学国際センター(代表)
神奈川県環境科学センター
香川県環境保健研究センター
福岡県保健環境研究所
名古屋市環境科学調査センター(オブザーバー)

課題代表者

青野 光子

  • 生物多様性領域
  • 副領域長
  • 博士(理学)
  • 生物学,生理学,生化学
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担当者