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短寿命微量気体による気候変動の定量的評価(令和 4年度)
Quantitative assessment of climate change by short-lived trace gases

予算区分
S-20-1(2)
研究課題コード
2125BA005
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
短寿命気候強制因子,微量気体,化学気候モデル
キーワード(英語)
Short-lived Climate Forcers,Trace Gases,Chemistry Climate Model

研究概要

大気化学モデルCHASERが組み込まれた全球化学気候モデルを用いて、現在の短寿命微量気体関連排出量を基準として地域、部門、組成ごとの排出量を増減させた場合を想定したシミュレーション(感度実験)を行い、短寿命気候強制因子(SLCFs)のうち微量気体(メタンおよびその前駆物質・オゾンおよびその前駆物質・代替フロン)および硝酸塩エアロゾルによる地域ごとの気候変動を定量的に評価する。さらに、感度実験で使用した排出量データおよび感度実験からの気温・降水量などのパラメータの出力をデータベース化して、SLCFsによる環境影響評価や最適緩和シナリオ策定のために提供する。また、策定された影響緩和シナリオを適用して全球化学気候モデルによるシミュレーションを行い、その計算結果の解析により地域ごとに予測される気候の変化を評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

令和3年度(2021年度):全球化学気候モデルCHASERの化学過程を精緻化し各種の観測データを用いて検証を行う。次年度以降に行う感度実験の基準となる標準実験(過去再現実験等)のための境界条件等の整備を行う。
令和4年度(2022年度):気候強制因子の変化に対する速い気候応答と遅い気候応答を評価するために、CHASERをそれぞれ大気モデル、大気海洋結合モデルとして使用するための調整を行い、それぞれを用いて標準実験を実施する。感度実験の設定を検討し、実施するための境界条件等の整備を行い、感度実験に着手する。
令和5年度(2023年度):感度実験を継続し完了させる。得られた結果を解析し、環境影響評価や最適緩和シナリオの策定に供するため、地域ごとの排出量変化と気候の変化の関連をデータベース化する。気候変化による自然起源のメタン排出変化を推定するため、CHASERに必要なプロセスを導入するなどの検討を行ってモデル改良に着手する。
令和6年度(2024年度):前年度に着手したモデルの改良を行うとともに、環境影響評価や最適緩和シナリオの策定に向けたデータベースの充実を図る。
令和7年度(2025年度):(他の研究テーマで策定された)最適緩和シナリオを用いた将来シナリオ実験を実施し、気候変動緩和策としての有効性を定量的に評価する。

今年度の研究概要

令和4年度(2022年度)は、気候強制因子の変化に対する速い気候応答と遅い気候応答を評価するために、CHASERをそれぞれ大気モデル、大気海洋結合モデルとして使用するための調整を行い、それぞれを用いて標準実験を実施する。感度実験の設定を検討し、実施するための境界条件等の整備を行い、感度実験に着手する。

外部との連携

名古屋大学大学院環境学研究科(代表)、九州大学応用力学研究所、東京大学大気海洋研究所

課題代表者

永島 達也

  • 地域環境保全領域
    大気モデリング研究室
  • 主席研究員
  • 博士(理学)
  • 物理学,コンピュータ科学,地学
portrait

担当者

  • 河野 なつ美