ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

生物種分布推定モデル応用による世界の水利施設の地理的分布決定要因の解明と将来予測(令和 4年度)
Application of species distribution estimation models to elucidate the determinants of geographic distribution of water facilities in the world and to predict the future

予算区分
基盤(B)
研究課題コード
2224CD003
開始/終了年度
2022~2024年
キーワード(日本語)
海水淡水化,灌漑,ダム
キーワード(英語)
Seawater desalination,irrigation,dam

研究概要

人口増加、経済成長、気候変動に伴って、今後も世界の水需要は増え、水逼迫も増すと考えられている。世界の水逼迫の将来予測が数多く行われてきたが、水需要を発生させる灌漑農地や、水需給を調節するダムや海水淡水化プラントなど、予測結果を左右する水利施設が、いつ、どこで、どのように増えるか見通す方法がなく、現状で固定したり、一定率で増減させたりするなど極めて簡単な仮定が置かれてきた。本課題では、生態学で発達した生物種分布推定モデルの手法を新たに導入して世界の水利施設の分布を説明する統計モデルを構築し、現在の世界の水利施設の地理的分布を理解するとともに、2050年までを予測することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

生態学で発達した生物種分布推定モデルの手法を新たに導入して世界の水利施設の分布を説明する統計モデルを構築し、現在の世界の水利施設の地理的分布を理解するとともに、2050年までを予測することを目的とする。さらに、この水利施設の予測から、より現実的な世界の水逼迫の将来予測を行うともに、人はいかにして水を求め、御すのかという水文学の根源的な問いにも迫る。

今年度の研究概要

生態学分野における気候変動影響予測の手順に則って、世界の海水淡水化の在・不在および量(施設規模)についての分布推定モデル構築を行う。将来予測では頑健性を得るため、多種の統計モデルを構築し、その推定結果を集約するアンサンブル解析を行う。アンサンブル解析に含める統計モデルは、回帰モデルである一般化線形モデル・一般化加法モデルや、機械学習モデルであるランダムフォレスト・ブースティング回帰木など、幅広い選択肢の中から、淡水化プラントに適用した際の精度を考慮しながら選定する。モデル構築の過程で、変数選択および変数の重要性の定量化を行うことにより、水利施設の分布決定に重要な要因を特定する。変数選択は、赤池情報量基準(AIC)や正則化など、それぞれのモデルアルゴリズムに適切なものを用いて行う。変数の重要性は、回帰モデルについては回帰変数の大きさ、機械学習モデルについては、当該変数を含めた場合と含めない場合もモデルの精度の変化に基づいて定量する。アルゴリズムによって異なる変数が選択されることも想定されるため、モデル間の精度や予測パターンの比較により、総合的に重要な変数を評価する。

課題代表者

花崎 直太

  • 気候変動適応センター
    気候変動影響評価研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 土木工学
portrait

担当者