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家庭における片づけとその後の意識・行動の変化に関する実証的研究(令和 4年度)
Can tidying up homes change people

研究課題コード
2022CD008
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
脱物質化,ライフスタイル,片づけ,シェアリング
キーワード(英語)
dematerialization,lifestyle,home organization,sharing

研究概要

現代社会は、便利で有益なモノを大量に生み出し、人々に多くのモノを所有する機会を与え、物質的な豊かさをもたらした。しかし一方で、大量消費・大量廃棄の産業体質と消費構造は、環境劣化と資源の浪費とを引き起こし、環境・資源の持続可能性を危機にさらしている。我々の消費行動を持続可能な形態へと転換を図る必要性が指摘されているが、規範的なアプローチには限界がある。
本研究は、消費を構造的に転換する方策として「片づけ」と「シェアリング」に着目し、モノへの価値観・認知と購買行動の変化が与える影響について明らかにすることで、モノを大切に使い切る、廃棄物を最小限にする社会システムについて考察する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究では、?「片づけ」を経験した人が、その後の購買行動に与える影響について質問紙調査(定量調査)を実施、?シェアリングサービス(フリマアプリ等)の利用頻度が高い人を選出し、シェアリングとモノの所有意識をテーマにしたフォーカスグループインタビュー(定性調査)を実施、?海外在住者のモノに対する意識と所有について調査から国際比較を行い日本の消費行動や文化の特徴を把握する。
まず、片づけコンサルタント(経験者)を対象としたインタビュー調査から、生活充実感に影響を与えるモノの購買・消費行動について質的・量的な指標を探索的に検討する。生活充実感に影響を与えるモノの購買・消費行動が、モノに対する価値観・認知とどのように関係しているかを検討し、片づけを経験した一般市民に対する質問票調査を実施する。
次に、シェアリングエコノミー(フリマアプリ)の利用者を対象に、フォーカスグループインタビュー(同質のインフォーマントを集めて情報を得る方法)もしくは個別面接による半構造化面接調査を行う。フリマアプリを利用方法の実態を把握するともに、フリマアプリを活用することによる、モノへの意識や購入行動の質的・実態的な変化の側面を考察する。また、フリマアプリのサービスプロバイダー、有識者から、サービスの運営と利用者の利用状況と属性やライフスタイル・価値観等の関係についてヒアリング調査を行う。
最後に、海外における片づけ、フリマアプリの利用状況について専門家ヒアリングを実施する。海外在住者の片づけ・ミニマリストを対象とした小規模な調査を行い、国際比較を行う。今後の日本における製品・サービスの提供や廃棄物処理サービスなどの社会システムのあり方について考察し、必要な政策や対処法を提言する。

今年度の研究概要

前年度までに完遂できなかった「片づけが購買行動に与える影響に関する質問紙調査」の継続を第一の課題とする。
また、「研究実施計画」に基づき、「シェアリングとモノの所有意識をテーマにしたフォーカスグループインタビュー」と「モノに対する価値観と所有についての国際比較調査」について検討を進める。シェアリングエコノミー(フリマアプリ)の利用者を対象にした、フォーカスグループインタビュー(または半構造化面接調査)の調査方法および内容を検討する。フリマアプリのサービスプロバイダーや専門家・有識者、海外在住の片づけプロフェッショナル・ミニマリストからヒアリング調査を行い、利用者の利用状況や属性、ライフスタイル・価値観、文化等との関係について考察する。

関連する研究課題
  • : 資源循環分野(イ政策対応研究)
  • : 資源循環分野(ア先見的・先端的な基礎研究)

課題代表者

吉田 綾

  • 資源循環領域
    資源循環社会システム研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,経済学,政策学
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