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底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の多媒体残留蓄積性評価(令和 4年度)
Evaluation of persistence and accumulation for siloxanes in multi-media focusing on benthic food web

研究課題コード
2222CD004
開始/終了年度
2022~2024年
キーワード(日本語)
環境動態,生物蓄積,フィールド調査,モデル,全有機ケイ素
キーワード(英語)
environmental fate,bioaccumulation,field survey,model,total organosilicon

研究概要

シロキサン類、中でも環状シロキサン(特に4〜6量体、それぞれD4、D5、D6とする)はシリコーン工業の主軸を担う高生産量化学物質であるが、一部について難分解性、生物蓄積性、生態毒性が指摘されており、環境や生態系への悪影響が懸念されている。われわれは、これに先立つ研究で東京湾流入河川の河口域底質中濃度分布を明らかにし、また底質が環境中で存在量の多い媒体であることを明らかにした。しかし、底質を介したシロキサン類の底生生物への取り込みに関する研究は国際的にも乏しく、国内フィールドでは例がない。河口域は生態系としても有機汚染物質の集積場としても重要であり、そこでの底生食物連鎖は食物網への化学物質の入り口として重要である。以上の背景を踏まえ、ここでは、東京湾及び河川の底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の網羅的調査、生物蓄積動力学モデルによる食物網の蓄積特性の解明、地理的分解能を有する環境動態モデル(G-CIEMS)を用いた多媒体挙動解析により、東京湾および東京湾流入河川の底質及び底生食物網底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の多媒体残留蓄積性を評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

東京湾及び河川の底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の網羅的調査から、食物網内の濃度分布及び栄養段階に依存するシロキサン類の濃縮傾向を明らかにするとともに、生物蓄積動力学モデルにより食物網の蓄積特性を解析する。さらに、地理的分解能を有する多媒体環境動態モデル(G-CIEMS)を用いて東京湾及びその流域内の多媒体に渡るシロキサン類の移動・消失・存在量及び空間分布を推定することで、シロキサン類の環境排出を含む多媒体挙動の全体像を明らかにする。多媒体におけるシロキサン類及び有機ケイ素のマスバランス調査から、シロキサン類の分子構造、分子量に依存する環境動態、蓄積傾向を解析する。実測とモデル予測の融合により、フィールド調査のみでは解決が困難であるシロキサン類多媒体挙動の全体像や食物網内の濃縮・希釈に寄与するパラメーター、水経由・餌経由の寄与等を評価する。

今年度の研究概要

(2)生物蓄積動力学モデルによる食物網の蓄積特性の解明、(3)地理的分解能を有する環境動態モデル(G-CIEMS)を用いた多媒体挙動解析を担当する。(2)ではモデルパラメーター推定のための文献調査を進める。(3)ではモデル計算の諸設定、排出源単位、汽水域での脱吸着や粒子沈降をモデルで再現するための基本的な検討を行うとともに、東京湾及びその流域を対象に、代表的な化合物(D4, D5,D6)について多媒体挙動をモデル計算により検討する。

外部との連携

研究代表者:埼玉県環境科学国際センター、堀井 勇一
埼玉県環境科学国際センター、富山県立大学、公益財団法人東京都環境公社(東京都環境科学研究所)

関連する研究課題

課題代表者

櫻井 健郎

  • 環境リスク・健康領域
    リスク管理戦略研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 工学,化学
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担当者