ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

光化学オキシダント等の変動要因解析を通した地域大気汚染対策提言の試み(令和 4年度)
Attempt to propose measures for regional air pollution by analyzing variable factors such as photochemical oxidants

研究課題コード
2224AH001
開始/終了年度
2022~2024年
キーワード(日本語)
光化学オキシダント,PM2.5,気候変動,行政支援,越境汚染
キーワード(英語)
photochemical oxidant,PM2.5,climate change,administrative support,trans-boundary air pollution

研究概要

光化学オキシダント(以下、Ox)はNOxやVOC等の対策にもかかわらず、依然として全国的に改善傾向が見られていない。また、PM2.5に関しては高濃度事象の減少や環境基準達成率の向上は認められるが、一部地域においては基準の達成ができていない状況である。
 前期の?型共同研究(2019〜2021年度)では、Oxのトレンド解析、前駆物質(NOx、VOC)やNO2/NOx排出比に着目してOx汚染の現状を把握した。また、詳細な測定や解析、シミュレーションモデルを活用して、OxやPM2.5の挙動の把握と高濃度の生成要因を明らかにした。
 そこで、本研究ではこれまで取得してきた膨大なデータの利活用を図り、気候変動、越境汚染等を視野に入れた各地域の大気汚染物質の高濃度化要因の解明、統計モデルを用いて前駆物質の排出量の変化による大気汚染物質濃度の傾向をより正確に評価することを目指す。また、可能であればこれらの解析と並行して、測定・調査地点の選定や注意報発令の地域区分設定等の行政支援のための検討もあわせて行う。これは、検討の基準を議論した上で、それらの基準を個別の自治体に適用し、最終的には具体的に提案することを目標としている。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

実際の解析(必要に応じて測定)は地環研が行い、国環研は各種調整、一部データの提供、解析ツールの提供・指導を担当する。研究はいくつかのグループを設定し、グループ毎にリーダーを決めて進める。必要に応じてリーダー会合を開催し、各グループ間での調整を図る。参加機関は少なくとも一つのグループに参加し、主体的に研究を推進するものとする。現状では以下の2グループで研究を遂行する予定であるが、研究参加後に必要があれば新たなグループを立ち上げることも有り得る。
1 各地域におけるOx高濃度化因子の解明:Ox経年変化は地域によって傾向が異なっており、これには前駆物質の排出量変化のみならず気候変動、越境汚染も関連因子と考えられる。地域毎にこれらの主として既存データを詳細に解析することで、NOx, VOC等の排出量変化等をはじめとする各種因子によるOx生成への影響評価を行う。各地域における重点対策すべき物質の特定を最終目標とする。
2 PM2.5データの長期的解析:主としてPM2.5成分分析データの長期的な解析を行い、発生源対策や排出量変化(自動車、船舶、越境汚染等)とPM2.5濃度、組成との関係を検証する。検証結果から、地域に最適なPM2.5対策に関する知見を得ることを最終目標とする。
 さらに可能であれば、これらの全体の解析と並行して、現状で自治体が定常業務として行っている各種測定・調査地点の選定や注意報発令の地域区分設定等の行政支援のための検討や、統計モデルを使用し、気象条件による季節オゾン濃度の変動を調整し、前駆物質の排出量の変化によるOxの傾向を正確に評価することの検討について勉強会を立ち上げ、これらもあわせて行う。

今年度の研究概要

2022年度は、キックオフ全体会合を開催し、研究グループを構築し、グループ内での役割分担(リーダー等)を決定する。それぞれのグループで、目的に見合った実行計画を作成する。地環研の参画者は、構築したグループのいずれかに属し、各自治体のニーズに合うようなデータ収集、解析(必要があれば観測)を行う。随時、Web会議等を活用してグループ内での研究の進捗管理、情報交換、議論を行う。

外部との連携

(地環研代表)群馬県衛生環境研究所
(参加41地環研): (地独)北海道立総合研究機構 環境・地質研究本部 環境科学研究センター、宮城県保健環境センター、山形県環境科学研究センター、富山県環境科学センター、石川県保健環境センター、福井県衛生環境研究センター、札幌市衛生研究所、仙台市衛生研究所、茨城県霞ケ浦環境科学センター、群馬県衛生環境研究所、埼玉県環境科学国際センター、千葉県環境研究センター、(公財)東京都環境公社東京都環境科学研究所、山梨県衛生環境研究所、長野県環境保全研究所、静岡県環境衛生科学研究所、岐阜県保健環境研究所、愛知県環境調査センター、三重県保健環境研究所、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、京都府保健環境研究所、(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所、(公財)ひょうご環境創造協会兵庫県環境研究センター、奈良県景観・環境総合センター、名古屋市環境科学調査センター、大阪市立環境科学研究所、島根県保健環境科学研究所、岡山県環境保健センター、広島県立総合技術研究所、山口県環境保健センター、徳島県立保健製薬環境センター、愛媛県立衛生環境研究所、高知県環境研究センター、福岡県保健環境研究所、佐賀県環境センター、長崎県環境保健研究センター、熊本県保健環境科学研究所、大分県衛生環境研究センター、鹿児島県環境保健センター、沖縄県衛生環境研究所、福岡市保健環境研究所
共同研究者:

関連する研究課題

課題代表者

菅田 誠治

  • 企画部
  • 次長
  • 博士 (理学)
  • 理学 ,地学
portrait

担当者