ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

中部山岳域における気候変動影響評価の分野横断的定量データの構築(令和 4年度)
Development of cross-sectoral quantitative data for climate change impact assessment in the central mountain region in Japan

予算区分
基盤研究(B)
研究課題コード
2125CD001
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
高山帯
キーワード(英語)
alpine zone

研究概要

標高の高い山岳域では、気候変動により積雪量や融雪時期、気温や日射量などが大きく変化し、生態系変動を引き起こす。植生群落を構成する種構成や分布、ひいてはそれを利用する生物の行動も変化する。気候変動の環境影響を評価するためには山岳域の環境と生態系変化の定量化が必要となるが、それらを結びつけるための実測データが不足している。そこで、中部山岳国立公園内の立山において、富山大学立山施設(標高2839m)等の山岳観測拠点を活用し、デジタル機材や観測網を活用した山岳全体を対象とした観測体制を確立する。気象・雪氷・森林の定点観測をベースに、定点撮影、雪氷藻類動態、森林・植生動態解析を統合し、中部山岳域における気候変動の影響を分野横断的に定量的に評価することを目的とする

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

中部山岳地帯の生態系変動を評価するためには、気温変化に加え、積雪量や雪解け時期、初霜、初冠雪時期を調査し、植物の光合成生産期間や生物の活動可能期間の把握が重要である。
また、日射量や降水量、霧水沈着量も光合成生物にとって重要な環境要素となっている。これらの環境要素の年変動とローカルな分布(地形)は、群落を構成する植物種や分布などに大きな影響をもたらしている。本研究は、高山帯の環境変動の基盤となる気象・雪氷観測体制を拡充し、高山帯の環境と生態系の変化を領域横断的な定量的把握およびその変動影響を解明することを目的とする。この標高別の環境と生態系の観測データを統合することで、リモートセンシング、GIS解析、領域モデルと組み合わせて、次の5項目、1)立山から中部山岳域の気候変動の動態解明、2)気候変動が生態系の各要素に及ぼしている影響、3)植物種間の気候応答の違いが将来的な植生ならびに環境変動に及ぼす影響、4)雪氷藻の動態把握も含めた生態系の生物的な要素が積雪融解などの水文学的な要素に及ぼす影響、5)広域大気汚染の負荷量変化の影響について明らかにする。

今年度の研究概要

立山の西斜面では、市販カメラを室堂に設置し定点デジタル画像の取得を行ってきた
(http://db.cger.nies.go.jp/gem/ja/mountain/station.html?id=2)。
この観測を継続し、GIS解析による地形情報とともに植生・積雪、雪氷藻のモニタリングを継続する。

外部との連携

(課題代表)富山大学学術研究部理学系教授 青木一真

課題代表者

小熊 宏之

  • 生物多様性領域
    生物多様性保全計画研究室
  • 室長(研究)
  • 工学
  • 農学
portrait

担当者

  • 岡本 遼太郎
  • 井手 玲子