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地域資源循環を促進するドローンとAIを活用した森林資源推定・予測システムの開発(令和 4年度)
Development of a system for estimation and projection of woody biomass by using of UVA and AI

予算区分
福島県令和4年度地域復興実用化開発等促進事業費補助金
研究課題コード
2222KZ001
開始/終了年度
2022~2022年
キーワード(日本語)
森林生態系,樹木個体,可視化
キーワード(英語)
forest ecosystem,tree individual,visualization

研究概要

 原子力災害により放射能汚染された浜通り地域の森林は、現在でも立ち入りが厳しく制限されており、実質的に管理ができていない状況である。一方、気候変動による極端現象などにより、これら未管理の森林からの土砂災害リスクが高まることが予想され、帰還住民にとっても大きな課題となる可能性があることから、環境回復や災害防止の観点からも間伐などの適切な施業が求められている。また、現状はまだ難しい森林資源の利活用についても、熱処理などを含めて検討が進んでいくと考えられることから、森林の樹木の状態や今後の成長量の把握が必要である。これらの背景から、立ち入り困難な場所において広域で調査が可能であり、かつ将来の成長予測も可能であるような、詳細な森林資源の推定手法の開発が求められている。
 本提案は、リモートセンシングによって広域の森林資源を毎木レベルで調査し、将来の資源量を予測することができるシステムを開発する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本技術開発は、立ち入りが困難な場所においても可能である、ア. 広域での計測が可能なドローンによる森林レーザー計測技術と、イ. 収集した膨大なデータを機械学習によって樹木個体レベルのデータに変換する技術を開発するものである。さらにこれらのデータを用いて、国立環境研究所が保有する ウ. 森林動態モデルの改良版を開発し、森林資源(本数、材積、樹木の状態)の現況推定と将来予測を行うものである。

今年度の研究概要

国立環境研究所では、広域で適用可能な森林生態系モデル(BGC-ES)を改良し、樹木個体の成長等を予測可能なモデル(BGC-ES3Tree)を令和2年度に開発した。令和3年度ではこのモデルをさらに改良を加え、現況森林データを使用して再現性を高めた。令和4年度は、モデルの更新を行い(BGC-ES3.1)、浜通り地域で実測された森林データにより、モデルパラメーターのチューニングを行う。また、外部連携先である(株)ふたばが開発した点群処理をパッケージ化して、森林モデル利用のワンストップサービス実施のためのインターフェイス開発を行う。

外部との連携

福島県富岡町、株式会社ふたば、東北工業大学

課題代表者

中村 省吾

  • 福島地域協働研究拠点
    地域環境創生研究室
  • 主任研究員
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担当者