ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

廃棄物の不適正管理に起因する環境影響の未然防止に係る迅速対応調査手法の構築(令和 4年度)
Development of a emergency survey strategy for the prevention of environmental impacts caused by improper waste management

研究課題コード
2022AH004
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
廃棄物最終処分場,不法投棄,不適正処分
キーワード(英語)
waste landfill,irregal dumping,inappropriate disposal

研究概要

廃棄物の不適正な保管や処分、ならびに不法投棄等に起因する生活環境安全上の支障の拡大を防ぐためには、問題の種類と影響範囲の特定を速やかに実施することが肝要である。一方で、想定される支障としては、水環境への影響(公共用水域および地下水域の汚染、農水産物への影響等)、大気環境への影響(悪臭・有害物質の排出等)、その他の公衆衛生上の影響(感染症、火災、崩落等)など広範にわたることから、これらの検査を円滑かつ迅速に実施可能な体制をあらかじめ構築しておく必要がある。本課題では地方環境研究所(以下、地環研)の有する各種の調査手法と現場対応経験を総合化して、事案発生時に実施すべき調査項目とそのシークエンスを決定するためのプロセスを構築する。参加地環研が共同で調査を行い、観測結果とその評価手順を共有するとともに、標準作業手順書の作成を通じて、調査手法の標準化と習熟を図る。事案発生に対する各研究所の迅速対応能力を向上させると同時に、緊急時の自治体横断的な現場対応ネットワークおよび支援体制の構築を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

[2020年度]
事案発生時を想定した際の、初動対応に係る調査の実施手順案を作成し、それに基づいて廃棄物の不適正な保管および処分の現場における現場調査を実施する。問題特定や影響範囲の評価に至るプロセスを検証し、実施手順や調査マニュアルの改善を図る。

[2021年度]
迅速対応時に求められるモニタリング項目を、事案の類型や支障の種類ごとにメニュー化し、必要な評価項目の選定と実施順序を決定可能なフローチャートを作成する。調査項目ごとに整備・追加された標準作業手順書を用いて、調査実施者の習熟を図るとともに、必要に応じて改善・現場適合を図る。

[2022年度]
過年度より引き続き、現場観測事例の蓄積ならびに観測手法の改善を継続的に行う。観測事例を含む知見の情報共有プラットフォームを構築し、全国環境研究所協議会を通じて事案発生時における自治体横断的な支援体制の確立を目指す。支障の除去および環境改善に係る対策立案に貢献可能な、調査結果の解釈や評価方法の具体例を盛り込んだ調査マニュアルをとりまとめる。

今年度の研究概要

(国環研)ガス排出量調査による影響範囲の特定、悪臭・有害ガスの排出量調査、無人航空機を用いた赤外画像解析ならびに影響範囲の評価、ガス検知・地中温度評価に基づく内部燃焼検知、崩落防止のための構造安定性評価
(地環研)無人航空機を用いた測量、廃棄物の飛散・流出調査、表層土壌調査、ボーリング調査、可搬型蛍光X線分析計による有害性の現場迅速評価、物理探査、水質調査、地温調査

外部との連携

鳥取県衛生環境研究所
宮城県保健環境センター
埼玉県環境科学国際センター
千葉県環境研究センター
長野県環境保全研究所
三重県保健環境研究所
福井県衛生環境研究センター
大阪府立環境農林水産総合研究所
兵庫県環境研究センター
広島県立総合技術研究所保健環境センター
福岡県保健環境研究所
島根県保健環境科学研究所
大分県衛生環境研究センター
鹿児島県環境保健センター
沖縄県衛生環境研究所

備考

《研究課題コ−ド》2022AH003

関連する研究課題
  • : 資源循環分野(イ政策対応研究)

課題代表者

山田 正人

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 室長(研究)
  • 京都大学博士(工学)
  • 工学,生物工学,化学工学
portrait

担当者