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シベリアのタワー観測ネットワークを用いた極域環境変化に伴う温室効果ガスの長期変動解析(令和 4年度)
Long-term analysis of greenhouse gases in the polar region with the Siberian tower network

研究課題コード
2226BB001
開始/終了年度
2022~2026年
キーワード(日本語)
シベリア,二酸化炭素,メタン,タイガ,湿地
キーワード(英語)
Siberia,carbon dioxide,methane,taiga,wetland

研究概要

気候変動予測の不確実性の大きな原因の一つは、予測モデルにおける気候変動プロセス・メカニズムの理解不足である。特に周北極域など気候変動に対して脆弱な地域での変化は予測が非常に難しい。その中でも、ロシア共和国のシベリア域は、地球温暖化に伴い永久凍土の融解やタイガ植生の衰退が起こるなど、気候変動に対して脆弱な地域であり、グローバルな温室効果ガスの循環ならびにその将来予測にとって重要な放出源・吸収源が分布している。
シベリア域における温室効果ガスの観測網は、国立環境研究所とロシア科学アカデミーの大気光学研究所が共同で運用してきたタワー観測ネットワークが実質唯一である。系統的で高精度の長期的なデータの取得が国際的に強く望まれている。本研究では、シベリアにおけるタワー観測ネットワークを利用してCO2およびCH4濃度の連続観測を継続することが目的である。
得られたデータを用いインバース解析によりCO2、CH4フラックス推定値の精度を向上させることにより気候変動の予測精度を向上させることが期待でき、グローバルな炭素循環の実態把握を推進することで、グローバル・ストックテイク、ならびにパリ協定における目標の達成にも貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

シベリアのタワー観測ネットワークを利用したCO2およびCH4濃度の連続観測を継続する。
インバース解析に、本課題で得られるシベリア域の観測データを用いることで、シベリア域からのCO2吸収・放出量、CH4放出量推定の精度を上げる。その長期変動と環境指標との比較によりその応答を調べ要因を推定する。
検証を終えた観測データを、国立環境研究所独自のデータベースで、DOI (Digital Object Index) を付与して公開するとともに、国際コミュニティに広く使われるデータセットにも提供する。

今年度の研究概要

シベリアのタワー観測ネットワーク観測システムの老朽化対策を行いつつ、継続したCO2濃度およびCH4濃度の連続観測を行う。観測の空白域になっている東シベリアのヤクーツクにおいてフラスコサンプリングを開始し、温室効果ガス観測の地域を拡大する。

外部との連携

ロシア科学アカデミー大気光学研究所、ロシア科学アカデミー北方圏生物問題研究所

課題代表者

笹川 基樹

  • 地球システム領域
    大気・海洋モニタリング推進室
  • 主幹研究員
  • 理学博士
  • 理学 ,化学
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担当者