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木質バイオマスを固体基質とするマンガン酸化菌培養法の開発と金属資源回収への応用(令和 5年度)
Development of a cultivation method for manganese-oxidizing microorganisms using woody biomass and its application to metal recovery

研究課題コード
2326CD002
開始/終了年度
2023~2026年
キーワード(日本語)
マンガン酸化,微生物培養,金属資源
キーワード(英語)
manganese oxidation,microbial cultivation,metal resource

研究概要

マンガン酸化菌による酸化触媒作用で形成するバイオマンガン酸化物は、レアメタルを含む重金属イオンに対して優れた吸着特性を示す。このため、バイオマンガン酸化物を活用した生物学的重金属除去/回収技術が近年盛んに研究されている。一方、その形成を担うマンガン酸化細菌の多くは貧栄養環境を好む従属栄養微生物として認知されており、この特徴がその人為的な培養を難しくするとともに、バイオマンガン酸化物を活用した生物学的重金属除去/回収技術の低コスト化を妨げている。そこで本研究では、マンガン酸化細菌の高効率な集積培養法の開発を試みる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

マンガン酸化細菌の集積化において、木質バイオマスを固体基質として活用する新規集積培養法が有効かどうかを培養実験により明らかにする。なお、本研究で開発する集積培養法は、微生物分解によって木質バイオマスから水溶性低分子有機物を徐放させ、これにより貧栄養環境を好むマンガン酸化細菌の集積化を達成しようとするものである。本研究では、木質バイオマスを充填したラボスケールバイオリアクターの連続運転を行い、そのマンガン酸化性能やバイオリアクター運転方法の最適化に必要となる基礎データを取得する。加えて、原核生物が共通して保有する16S rRNA 遺伝子を対象としたアンプリコンシーケンス解析やメタゲノム解析などの手法により、木質バイオマス分解およびマンガン酸化反応に関与する微生物群の特定や生物学的マンガン酸化メカニズムの解明を試みる。

今年度の研究概要

木質バイオマスを個体基質としたマンガン酸化細菌の培養実験を開始し、集積化したマンガン酸化微生物群集による溶存マンガン除去速度に基づいて、本集積培養法の有効性を検証する。本研究では、安価かつ低耐朽性という特徴を持つ「アスペン材」の個体基質としての利用可能性をまずは検討する。

外部との連携

和歌山工業高等専門学校、長岡工業高等専門学校

課題代表者

青木 仁孝

  • 地域環境保全領域
    環境管理技術研究室
  • 研究員
  • 博士(工学)
  • 工学
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