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都市のレジリエンスに係る気候変動影響統合評価(令和 5年度)
Integrated analyses of climate change impacts relevant to city resilience

予算区分
JPMEERF23S21120
研究課題コード
2325BA008
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
気候変動影響,都市,適応
キーワード(英語)
climate change impacts,city,adaptation

研究概要

水資源、国際保健、農業生産、労働生産性、エネルギー需要について、全球規模の影響評価の高度化を通じて、都市のレジリエンスの諸相とより整合的な影響評価を実施する。
サブテーマ(1)では、全球規模の労働生産性およびエネルギー需要等の気候影響モデルについて、都市を対象とした気候影響評価での利用を想定した高度化を実施し、都市のレジリエンス強化の議論に資する気候影響評価を実施する。さらに、他サブテーマによる部門別影響評価を集約し、テーマ1の都市の人口移動モデルやインフラ考慮都市発展モデルに、気候変動リスク影響評価を提供する。
サブテーマ(2)では、全球水資源モデルH08 を用いて全球5 分・日単位の解像度で全球水資源のシミュレーションを行う。また、水需給関連情報の整備、都市レベルでの水需給バランスを評価するための各種アルゴリズム開発、都市レベルの水需給分析、都市と周辺の水資源影響評価を行う。
サブテーマ(3)では、夜間と日中の気温の相乗効果を考慮を通じて都市部における暑熱過剰死亡予測の精緻化の可能性を探索する。また、気温、降雨量、洪水の影響を考慮したモデルを開発し、下痢症過剰死亡の推定を行う。
サブテーマ(4)では、作物収量の安定性について過去の気候変動影響の検出と将来予測を行う。対象作物は主要穀物に加えて、食料安全保障が脆弱なサブサハラアフリカなどの地域で重要な作物とする。また、日本国内の青果物(露地野菜)に対する極端気象の影響の検出に取り組む。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

テーマ2の全体目標の達成に向けて、サブテーマ(1)では、先行研究による全球規模の労働生産性およびエネルギー需要等の気候影響モデルについて、都市を対象とした気候影響評価での利用を想定した高度化および高解像度化を実施し、テーマ1との協議をふまえて選定する世界の主要都市を対象に、都市のレジリエンス強化の議論に資する気候影響評価を実施する。さらに、サブテーマ(2)〜(4)ならびにテーマ3サブテーマ(1)による部門別影響評価を集約し、テーマ1の都市の人口移動モデルやインフラ考慮都市発展モデルに、総合的な気候影響予測情報を提供する。なお、一連の影響評価の成果はテーマ1とも連携し、政策ツールとしてAP-PLATで共有することで、気候変動適応に係る国際協力に活用されることを想定する。
上記の包括的な研究目標の達成を確実に追求するため、以下の4つの研究出力を目標とする。
(1)労働生産性への気候変動影響予測
(2)エネルギー需要への気候変動影響予測
(3)他サブテーマによる部門別影響評価の集約とテーマ1への提供
(4)AP-PLATを通じた政策ツールの共有への貢献

今年度の研究概要

キックオフ会合、全体会合、テーマ会合等を活用し、テーマ1へのデータ提供ならびにAP-PLATによるデータ公開に向け、テーマ2として一貫性のある気候影響予測情報の創出と提供の計画について決定する。
エネルギー需要及び労働生産性への気候影響予測に関して、既存の全球スケールの予測手法を基礎に都市スケールへの適用のための手法高度化とデータ収集を実施する。

外部との連携

サブテーマ(2)〜(4)については、東京大学、農業・食品産業技術総合研究機構、東京工業大学、筑波大学が実施機関として参画する。

課題代表者

高橋 潔

  • 社会システム領域
  • 副領域長
  • 博士(工学)
  • 土木工学,工学
portrait

担当者