- 予算区分
- 2MF-2302
- 研究課題コード
- 2325BA010
- 開始/終了年度
- 2023~2025年
- キーワード(日本語)
- 底生動物,底質,細菌生産,有機物分解速度,琵琶湖
- キーワード(英語)
- benthic animals,sediment,bacterial production,organic matter decomposition rate,Lake Biwa
研究概要
国内では認知されていない、底生動物の栄養塩循環への寄与と、細菌生産・有機物分解速度への寄与に関する知見から、貧酸素化での底生動物の減少が湖底の物質循環を失速させるリスクを明示する。さらに、得た知見を用いたモデル解析から、底生動物の減少が琵琶湖生態系にもたらすリスクを推定する。成果報告書を、湖沼の水質・底質管理を担う環境行政部局へ配布するとともに、学会での講演や一般国民向けのシンポジウムを通して、底生動物が存在することで正常に駆動する生態系機能の重要性を普及する。そらに、その知見を基に、気候変動の影響による貧酸素化の対策の一つとして、底生動物の保全を環境行政部局に提案する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:政策研究
全体計画
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが実施するサブテーマ1(底生動物の栄養塩循環への寄与評価と彼らの減少がもたらすリスクの推定)で扱う底生動物4 種と、琵琶湖の底泥を用いた実験により、底生動物各種の現存量と細菌の生産量や、有機物の分解速度との関係を定量的に把握する。世界的にもない「底泥表面の細菌生産量」や「底生動物の存在下での有機物の分解速度」の測定手法を確立することで、湖底における物質循環の定量的データを取得する。これらの知見をサブテーマ1のモデルに反映させ、底生生物の減少がもたらすリスクを推定する。一方、得た知見と、現場の底生動物の現存量から、現場での有機物の分解速度を推定し、底泥中の強熱減量(有機物量の指標)との関係を評価する。
今年度の研究概要
琵琶湖の底泥と、サブテーマ1と同じ底生動物を用い、泥表面の細菌生産量を、15N-デオキシアデノシン法(15N-dA 法)で調べる手法を確立する。また、泥表面における細菌呼吸量を測定し、底生動物の存在下での有機物の分解速度を推定する手法を確立する。
外部との連携
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
- 関連する研究課題
- : 地域環境保全分野(イ政策対応研究)
- 26453 : 地域環境保全分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
- : 気候変動適応分野(イ政策対応研究)