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2019年6月14日

受賞のお知らせ ~ 石森主任研究員が廃棄物資源循環学会奨励賞を受賞

概要

受賞者氏名: 石森 洋行(資源循環・廃棄物研究センター)
賞の名称:  廃棄物資源循環学会奨励賞
授賞機関:  廃棄物資源循環学会
受賞年月日: 2019年06月06日
受賞対象:  遮水材の安全性向上と放射性Csの挙動解明

ひとこと

最終処分場では周辺環境への被害を防ぐために、廃棄物埋立層の最深部には水を通しにくい遮水シートや粘土層が設置されています。水は通しにくいと言われていますが、一方で廃棄物浸出水中に含まれている化学物質に対してはどれほどの遮蔽性があるのか、また化学物質との接触により遮水シートや粘土層が劣化しないのかということは未解明でした。実際の廃棄物処分場浸出水を用いて、遮水シートは拡散透過試験、粘土層は透水試験という方法で数年にわたり両材料の遮蔽性を長期計測しその結果を発表しました。放射性Csの挙動解明においては、放射性Csによる汚染廃棄物を安全に埋立処分するために、廃棄物からの放射性Csの溶出特性や土壌等への吸脱着特性を実験で調べるとともに、これらの実験結果を入力条件とした最終処分場内での放射性Csの動態を予測計算しました。汚染廃棄物の上部を粘土層のような難透水性材料で覆うとともに、下部には放射性Csを吸着する土壌層を敷設することで、放射性Csの浸出水への移行を最小限に抑えられることがわかりました。今後は更なる安全性の向上のために、汚染廃棄物からの放射性Csの溶出を抑制するためにセメント等で固型化する技術開発に携わりたいと考えています。