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2019年8月1日

受賞のお知らせ ~
木村栄輝JSPSフェローが日本毒性学会奨励賞を受賞

概要

受賞者氏名: 木村 栄輝(環境リスク・健康研究センター)
賞の名称:  日本毒性学会奨励賞
授賞機関:  日本毒性学会
受賞年月日: 2019年06月27日
受賞対象:  分子-組織-行動レベルの統合的アプローチによる発達神経毒性研究

ひとこと

この度、日本毒性学会(The Japanese Society of Toxicology, JSOT)より2019年度の奨励賞を頂き、6月に徳島で開催された第46回日本毒性学会学術年会にて授賞式ならびに受賞者講演を行いました。この賞は、毒性学に関する研究において独創的な研究業績をあげつつあり、将来が期待される若手会員に贈られるものです。これまで私は、神経科学および行動学の研究分野で開発された先駆的な実験手法を応用し、環境化学物質の周産期曝露が発達段階の脳に及ぼす影響を調べてきました。具体的には、哺乳類のモデル動物であるマウスを用いて、母体を介したダイオキシンの曝露が仔の脳において遺伝子の発現パターンや神経細胞の微細形態に影響を及ぼすことを明らかにしました。また、遺伝子工学的手法を用いた実験より、ダイオキシンが結合することで活性化するアリール炭化水素受容体が神経細胞の成長を制御している可能性を示唆する結果も得ました。さらに、ダイオキシン曝露により仔の鳴き声が抑制されることを見出し、現在も鳴き声を指標とした曝露影響評価の研究に継続して取り組んでいます。今回の受賞は、多彩な実験手法を駆使して発達神経毒性影響に迫り、研究成果を着実に積み重ねてきたことが評価されたものと考えています。今後も、化学物質曝露が生体に及ぼす影響を見逃さずに捉え、評価手法の改良や毒性メカニズムの解明に貢献できるよう努めて参ります。

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