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2019年10月28日

受賞のお知らせ ~ 菅田誠治室長が大気環境学会の論文賞(技術調査部門)を受賞

概要

受賞者氏名: 菅田 誠治(地域環境研究センター)
賞の名称:  論文賞(技術調査部門)
授賞機関:  大気環境学会
受賞年月日: 2019年09月19日
受賞対象:  石英繊維ろ紙に捕集したPM2.5中の有機トレーサー成分におけるガス吸着の影響,Journal of Japanese Society Atmospheric environment ,53 (2), 70-78,2018

ひとこと

国立環境研究所と地方環境研究所によるII型共同研究「PM2.5の環境基準超過をもたらす地域的/広域的汚染機構の解明」(2016~2018年度)の一環として名古屋市環境科学調査センターが主体となって進めた研究であり、共同研究の推進により得られた成果が評価を受けたことを大変喜ばしく思います。
  微小粒子状物質(PM2.5)の成分測定で使用するろ紙は、石英繊維ろ紙とPTFE(フッ素樹脂)ろ紙の2種類があります。近年、特定の発生源から排出される有機物(PM2.5の主要成分の一つ)は有機トレーサー成分と呼ばれ注目されていますが、その測定には一般的に石英ろ紙が用いられてきました。しかし、石英繊維ろ紙はガス状有機物を吸着しやすい性質を持ち、測定結果の誤差が懸念されていました。本論文は、石英繊維ろ紙とガス状有機物の吸着が極めて小さいと考えられるPTFEろ紙の両者を用いてPM2.5を24時間捕集し、ろ紙中の有機物濃度を比較することにより、石英繊維ろ紙を用いた有機トレーサー成分の捕集におけるガス吸着の影響を考察し、その影響の度合いが季節や成分に拠ることを示しました。