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2017年2月9日

環境都市システム研究プログラム(先導研究プログラム)
平成23~27年度

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-118-2016

表紙
SR-118-2016 [9.9MB]

 地球規模での環境変化への対応を、国土や社会全体で一律に達成するのではなく、身近な都市や地区のスケールで「社会革新(社会イノベーション)」として具体化し、それを「モデル(模範)」として国や世界に広げる試みが広がりつつあります。21世紀の「環境都市」は、これまで果たしてきた生産、暮らしの空間に加えて、地域と地球の環境の保全への先導的な貢献を担い、新しい革新(イノベーション)を生み出す場としても重要であり、理論的な目標の設計とその実践とをつなげる新しい社会科学・工学融合型の研究が求められているといえます。


 そこで、本研究プログラムでは、都市の社会・経済と環境特性に応じた課題の克服と地域の成長が調和する将来ターゲットを設計して、そこへ到達する地域、都市、地区スケールの環境技術と政策の複合システムを描く計画手法と評価体系の研究開発を進めてきました。


 その結果、国内とアジアの都市を対象に、社会実証研究を通じたコベネフィット型の技術の開発と、技術群と施策をパッケージとして組み合わせる環境ソリューションシステムを構築しました。また、相乗性や補完性を持つ環境技術群との組み合わせによるコベネフィット型環境技術・施策システムのパッケージとして開発する方法論を構築しました。一方、地域内人口分布等に着目した人口分布の変動の要因解析を行うことで、実現可能性の高い空間構造シナリオの構築手法を開発しました。そして、その開発に併せて、空間構造に応じた環境負荷低減・影響緩和策の効果の違いを評価し、望ましい空間構造を明らかにしました。また、民生および運輸部門の環境負荷低減・影響緩和効果の評価を踏まえた都市・地域発展シナリオを明らかにしました。


 本研究成果が、環境シミュレーションとの連携により、環境技術を含む拠点的な「環境開発」にむけた信頼性の高い計画システムを提供し、計画の実現による環境負荷の削減を定量化できる評価理論の体系を提供することを通じて、研究および行政に役立つことを期待しております。


(社会環境システム研究センター長 藤田 壮)

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