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21世紀の廃棄物最終処分場
- 高規格最終処分システムの研究

環境儀 NO.24

井上雄三
21世紀、循環型社会における廃棄物最終処分場のあるべき姿が求められています。高規格最終処分システムの研究はその姿を描き出すものです。

 2000年3月、循環型社会形成推進基本法が制定され、発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)のいわゆる3Rの基本原則が定められました。現在、廃棄物の排出量は横ばいですが、中間処理を経て最終処分される量は減ってきており、3Rの効果は着実に上がってきています。

 一方解決すべき課題もまだあります。その一つが廃棄物が最後にたどり着く埋立処分場、つまり最終処分場の問題です。新規の処分場建設が思うに任せない状況の中、最終処分場の残余容量が逼迫し、残余年数も短くなってきています。また、自区内処理が原則の一般廃棄物の最終処分も地域的アンバランスが大きく、関東、中部地方では、域外にその処理を求めざるを得ない状況になっています。

 国立環境研究所では、2001年4月に循環型社会・廃棄物研究センターを設立、資源化・処理処分技術研究室を中心に、こうした問題についても科学的解決に向けて研究を続けています。

 本号では、最終処分場問題の「今」を明らかにするとともに、“入れる物”(廃棄物)の質を制御する、“入れ(埋め)方”や“入れ物”(処分場)を工夫し、なるべく自然のパワーを使って安定化する、双方向対話によって地域と共生する、そのような処分場−高規格最終処分システム研究を紹介します。