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2017年12月28日

植物のオゾン障害

コラム2

 オゾンにより植物に生じる障害には、大きく2種類のものがあります(図2)。一つは急性障害と呼ばれ、敏感な植物が高濃度(たとえば0.1ppmくらい)のオゾンと短期間(2、3時間くらい)接触したときに生じ、葉に白色や褐色の病斑(可視障害)が現れます。このような部位では細胞が死滅し、クロロフィル(葉緑素)は分解されています。もう一つは慢性障害で、可視障害が生じるよりも低い濃度のオゾンと長期間(2、3日間から数カ月間)接触することで生じ、成長が遅れたり老化が進んだりします。

 これらの障害が蓄積することにより、最終的には農作物の収量や品質が低下したり、樹木が立ち枯れたりすると考えられます。また、これらの障害の生じやすさには周囲の環境条件がいろいろな影響を及ぼし、特に光の強さが大きく影響することがわかっています。

図2 植物のオゾン障害の種類