ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

国立環境研究所研究報告 R-187-2005 (平成17年3月発行)
「平成15年度ILAS-IIプロジェクト報告」

 本報告は,環境省と国立環境研究所が共同で実施してきたILAS-II衛星観測プロジェクトの平成15年度の成果をまとめたものです。改良型大気周縁赤外分光計II型(Improved Limb Atmospheric Spectrometer-II: ILAS-II)は,環境観測技術衛星「みどり2号」(Advanced Earth Observing Satellite-II: ADEOS-II)に搭載され,2002年12月14日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターからH-IIAロケット4号機によって打上げられました。ILAS-IIは初期チェックアウト後の2003年4月から衛星の不具合で機能を停止する10月までの約7カ月間のデータを取得することに成功し,現在そのデータ処理並びに解析研究が実施されています。本報告書では,主に平成15年度中に実施された研究成果について報告しております。

(成層圏オゾン層変動研究プロジェクト 中島英彰)

国立環境研究所研究報告 R-188-2005(平成17年3月発行)
「安定型最終処分場における高濃度硫化水素発生機構の解明ならびにその環境汚染防止対策に関する研究」

 本書は政策対応型調査・研究「最終処分場の安定化促進・リスク削減技術の開発と評価に関する研究」の一環として平成14~15年度に実施した政策対応型調査・研究「安定型最終処分場における高濃度硫化水素発生機構の解明ならびにその環境汚染防止対策に関する研究」の成果を取りまとめたものです。
 近年,ガラスくずや金属,建設廃棄物などの安定廃棄物を埋め立てる「安定型最終処分場」の,いくつかの処分場で高濃度の硫化水素が発生し,大きな社会問題になっています。ある処分場では作業員が硫化水素中毒で死亡するという悲惨な事故が起こってしまいました。本研究は,安定型最終処分場において二度とこのような事故が起こらないよう高濃度硫化水素の発生メカニズムを明らかにするとともに,既存処分場における発生防止対策や修復対策,ならびに新たに建設される安定型最終処分場における発生防止対策を提案したものです。本書を通じて,安定型処分場における硫化水素発生防止に関する指針がさらに確固としたものになることを希望しています。

(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター 井上雄三)

環境儀No.16 長江流域で検証する「流域圏環境管理」のあり方(平成17年4月発行)

 東アジア,特に中国における近年の経済成長は著しく,その反面,開発に伴う環境の激変も世界の注目を集めています。国立環境研究所では,長江を中心とした流域圏での持続的な環境管理手法の確立をめざして,平成8~12年度に「流域環境管理に関する国際共同研究」,平成13~16年度に「アジア太平洋地域における統合的環境モニタリング事業」,平成8~16年度に「陸域由来の環境負荷の東シナ海の海洋生態系に及ぼす影響」のプロジェクトを遂行してきました。さらに平成13~17年度には「東アジアの流域圏における生態系機能のモデル化と持続可能な環境管理プロジェクト」を実行中です。本号では,一連のプロジェクトにつき,村上正吾プロジェクトリーダーと徐開欽主任研究員へのインタビューを中心にして,その経緯,活動状況,成果および今後の展望をわかりやすく紹介しています。

(「環境儀」第16号ワーキンググループリーダー 原島 省)