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有機再生廃棄物を対象とする多層複合型資源循環圏の設計と評価システムの構築(平成 20年度)
Planning and Evaluation System of Multilayer Integrative Circulation Region for Renewable Organic Wastes

予算区分
BE 環境-廃棄物処理
研究課題コード
0810BE004
開始/終了年度
2008~2010年
キーワード(日本語)
有機再生廃棄物,循環圏,動脈産業,静脈産業
キーワード(英語)
Organic renewable waste, Circulation Region, Arterial Industry, Vein Industry

研究概要

先進的な循環拠点集積を複数含む東京圏域を対象として、循環資源ごとに地区スケールから都市、圏域、国土、国際スケールの異なる循環圏を科学的な算定をもとに同定し、その形成支援の技術・政策システムの設計と評価のシステムを構築する。循環型社会形成にむけて、エンドオブパイプ技術のみによらない、動脈側と静脈側の産業システムが連携する循環圏システムを技術と社会システムの統合により設計するガイドラインシステムとしての一般化を目指す。
自治体・循環事業者との共同研究を通じて地理情報システム等を活用した地域の循環代謝の空間情報ネットワークシステムを開発する。さらに、循環型生産特性を考慮した将来的な循環形成の政策選択肢を合理的に設定し、その改善効果を定量的に評価するシステムを構築することによって、多層的な循環圏形成の拡大シナリオを評価する指標体系システムを含む、評価のガイドラインシステムを構築する

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

循環資源の発生と、その受け入れ施設である既存動脈産業を含む循環産業施設やその集合体について、東京・神奈川・千葉を中心とする首都地域においてその分布的特性を調査し、データベースを構築する作業に着手する。対象は一般・産業両廃棄物の、厨芥を含むバイオマス及びプラスチックなどの有機系資源を中心とする。廃棄物の特性に合った循環圏を想定し、圏域の一部については調査により求められた発生・受け入れ双方の分布や制約条件(地価や交通網など)との比較を行って、新規施設や拠点の将来の立地のあり方について、基礎的検討を行う。この際必要となる循環技術の評価には、従来の相対的評価によるものではなく、絶対値としても資源の効果的な活用方法であるかを判断できる手法を検討する。また、広域移動も含めて適正規模の資源循環を促進するために、各ステークホルダーにそれぞれメリットがある制度・システムとなるための基礎的な枠組みを検討する。
既存の統計データ等を活用しながら、循環資源発生の時間・空間的な分布を把握する。受け入れ側施設については、これまで調査実績のある川崎エコタウンを含め、代表的な施設についての調査を行う。当初は受け入れ可能量と処理方法の網羅的把握を行ってGIS上に整理するとともに、核となる施設から順に詳細なインベントリデータの収集を開始する。この調査プロセスを効率化するため、調査票の一般化・簡素化についても検討する。データ整備を完了した地域については、循環資源ごとの発生と受け入れの分布及び輸送特性に留意しながら、循環圏の同定を行う。
資源循環プロセスの評価に当たっては、非循環型との相対的な資源の節約効果を見る従来型のLCA手法の枠組みを越えて、循環利用工程を含めて資源の有効利用度を測る方式(製品LCAから資源のLCAへの転換)を検討する。これにより、ある循環圏での部分的な最適化が、全体に対しても最適な解となるシステム作りを行う。

今年度の研究概要

都心部などの人口過密地域から比較的低密度な郊外都市、あるいは農村までも含む多様な首都及びその周辺地域を対象として、循環資源を最大限に有効活用するためのシステムのあり方を検討する。本年度はその検討に必要となる基礎的データの収集と、評価手法及びシステム設計の試行的検討を行い、研究遂行のための基盤整備を行うことを目的とする。資源循環圏の把握にはとりわけ空間分布の把握が不可欠であるため、循環資源の発生分布と、動脈産業の活用を含む循環施設の立地と処理能力についてのデータベース化を進める。既存施設の有効活用は安定した需要が望めることや、施設建設費の点で経済的に有利な場合も多いが、循環施設の空白地域については、新たな資源循環拠点を設置する都市再生事業への発展の可能性も含めて評価を行う。

備考

分担研究者として産業総合研究所

関連する研究課題

課題代表者

藤田 壮

担当者