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放射性物質に汚染された廃棄物等の安全かつ効率的な処理処分等に関する調査研究(平成 24年度)
Research and study for safe and effective disposal of radioactive contaminated wastes

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
1212BY005
開始/終了年度
2012~2012年
キーワード(日本語)
震災対応,廃棄物処理
キーワード(英語)
earthquake disaster, waste management

研究概要

 東日本大震災からの復旧・復興にあたり、放射性物質に汚染された災害廃棄物への対応や環境中に拡散した放射性物質への対応を着実かつ早急に行うことが、喫緊の課題となっている。
 特に、放射性物質に汚染された廃棄物及び土壌等に関しては、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法の枠組みの下、国(環境省)が主体となった処理、除染を進めていくこととしているが、今般のように事故由来放射性物質によって一般環境が広く汚染され、放射性物質に汚染された廃棄物や土壌等が多種多量かつ広範囲にわたり発生する事態への対処は我が国で経験がなく、また、その対処に必要となる科学的知見が極めて不足している状況にある。
 本業務は、放射性物質により汚染された廃棄物及び土壌等の処理処分・除染を迅速かつ着実な推進に資することを目的とし、放射性物質汚染廃棄物・土壌等の処理処分等技術・システムの確立等に関する各種調査研究を実施するものである。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

1)汚染廃棄物等に係る放射性物質の基礎物性・挙動等の解明
 放射性物質に汚染された廃棄物及び土壌等(「以下「汚染廃棄物等」という。)に含まれる放射性物質の蒸気圧、溶解度、吸着等の基礎物性の把握に必要な実験等データを集積し、汚染廃棄物等の安全かつ効率的な処理処分の基盤となる放射性物質の各種挙動を明らかにする。
2)汚染廃棄物等の安全・効率的な処理処分等技術の開発・高度化・評価
 1)の調査で得られた知見を踏まえつつ、汚染廃棄物等の持つ様々な特性(発生起源、廃棄物・土壌種類、可燃性又は不燃性、放射性物質濃度、溶出性等)の違いに応じた、安全かつ効率的な処理処分及び再生利用等技術の開発・高度化・評価を行う。
 中間処理技術に関しては、可燃性物質を主体とした廃棄物・土壌の各種熱的処理技術(焼却、焼成、溶融等)及び物理的処理技術(破砕、洗浄等)について、実験的及び実証的試験及び理論的検討等を通じて、汚染廃棄物等の選別・分離濃縮・減容化等に係る技術の開発又は既存技術の高度化を行い、処理性・安全性・効率性等に関する評価等を行う。
 再生利用技術に関しては、中間処理後の各種生成物の発生状況及び溶出性・濃度等の特性等に関する実態把握を行うとともに、実験的・実証的・理論的検討等を通じて、安全かつ効率的な再生材の製造・施工等技術の開発・評価、安全性評価手法の確立等を行う。
 最終処分(保管・貯蔵含む)技術に関しては、汚染廃棄物等からの溶出、既存埋立廃棄物や中間覆土等の鉱物層への吸着、降雨涵養量制御、運搬や埋立時等における維持管理、周辺環境影響評価、汚染廃棄物の類型化等に関する実験的・実証的・理論的検討を行うとともに、保管や貯蔵、処分の時間スケールを考慮しつつ各技術要件を組み合わせ将来的な影響予測を可能とする数値シミュレーションモデルの構築等を通じて、環境保全上有意でかつ合理的な技術システムの提案・評価等を行う。
3)汚染廃棄物等に係る測定・モニタリング技術・手法の開発・評価
 汚染廃棄物等の発生やその処理処分・再生利用に関連する様々な試料の放射能分析方法とその取扱いに関する分析化学的検討及び政策科学との整合等の検討を通じて、廃棄物及び土壌その他各種試料(排ガス、焼却灰、汚泥、廃水、処理水等)に係る試料採取、前処理、検出、分析値取扱い、精度管理等に関する方法・手法に関する最適なモニタリングスキーム(精密測定法、簡易測定法)の確立を図る。
4)汚染廃棄物等に係るフロー・ストックの把握及び処理処分等システムの最適化
 放射性物質の降下・沈着量が相対的に多い地域において発生する廃棄物等の処理処分及び副産物の再生利用に係るフロー・ストック量等を特定・整理し、多種多様な廃棄物及び副産物に係る技術・リスク等の各種特性に応じた処理処分及び再生利用システムの最適化に関する調査研究を行う。

今年度の研究概要

同上

外部との連携

(独)日本原子力研究開発機構、京都大学、福岡大学 等

課題代表者

大迫 政浩

  • 資源循環領域
  • 領域長
  • 工学博士
  • 工学
portrait

担当者