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資源循環・廃棄物研究分野の概要(平成 27年度)
Material Cycles and Waste Management Research

研究課題コード
1115FP020
開始/終了年度
2011~2015年
キーワード(日本語)
資源循環,廃棄物処理,循環型社会
キーワード(英語)
material cycle, waste management, sound material cycle society

研究概要

生産・消費活動の負の側面である廃棄物問題を解決し、資源の効率的な利用と健全な物質循環が確保された循環型社会への転換を進めることが、わが国のみなならず世界共通の課題であり、問題解決のための科学的、技術的課題の克服が求められている。


そこで、社会経済活動に伴う物質の利用と付随する環境負荷の実態解明及び将来展望、資源性・有害性の両面からみた物質の評価・管理手法の構築、並びに資源の循環的利用、廃棄物・排水等の適正処理及び汚染された環境の修復・再生のための技術・システムの開発、評価及び地域実装に関する調査・研究を行う。


具体的には、資源・原材料・製品・廃棄物等のフロー・ストックの解明、循環型社会形成と廃棄物の適正処理に係る制度設計・計画立案手法構築、資源性・有害性を有する物質のライフサイクルにわたる管理手法構築に向けた研究を行う。また、資源化・適正処理に係る試験法や分析技術等の基盤技術、資源の効率的・循環的利用及び廃棄物の適正処理・処分に係る技術、汚染された環境の修復再生に係る技術に関する開発・実証・評価・システム化に関する研究を行う。更に、アジア圏の国際資源循環システムの適正化とアジア諸国の廃棄物・環境衛生問題の改善手法の提案に向けた研究を行う。マテリアルフロー、廃棄物の性状等の資源・廃棄物に係る知的基盤の整備を進める。


調査研究の実施にあたっては、地域特性に応じた環境技術の社会実装のための対外連携や、我が国の資源循環、廃棄物処理及び環境修復再生技術における国際競争力の学術的側面からの強化と普及支援、資源循環・廃棄物行政に対する科学的・技術的側面からの先導的支援を進める。


以上の調査・研究を推進することにより、以下の方向を目指す。


(1) 資源性・有害性物質の国際的な適正管理手法、アジア現地に適合した廃棄物処理処分技術・廃棄物管理システム、地域特性を活かした資源循環システムの構築のための枠組みを開発し、日本・アジアの循環型社会構築を支援する。


(2) 低炭素かつ循環型の社会構築に向けて、固形・液状廃棄物に対する従来技術の評価・改良、新規技術の開発を行い、システムの管理戦略等を提示する。石綿や廃 POPs 等の難循環物質及び不法投棄・不適正処分場を対象として、分析調査、リスク評価,修復及び管理に関する一連の手法を提示する。公的制度の構築、東アジア等との制度共有展開に貢献するよう、再生品の環境安全品質レベルの設定、品質管理の枠組み・検査法の標準化のための科学的知見を提供する。


(3) 廃棄物の資源化の促進及び資源循環における低炭素化に貢献するよう、廃棄物処理・資源化に係る基盤計測技術と性状評価手法を開発するとともに、資源化・処理に係る要素技術の開発を行う。


(4) 長期的視点を含む資源管理や物質の低環境負荷型利用並びに行政や企業に対する先導的知的支援に貢献するよう、将来の資源需要と国際物質フローの構造解析手法や物質ライフサイクルにおけるリスク管理方策、循環型社会・廃棄物分野の施策等を国際的、科学的視点から提示する。


(5) 独自の資源化技術や環境修復再生技術等の社会的実現を早期に達成し、地域環境再生政策に貢献するよう、外部連携を推進しつつ循環型社会形成に寄与できる実際的な技術システムを提示する。


(6) 将来の施策判断等に資する情報整備に貢献するとともに、物質情報に関わる国際的な情報基盤構築を先導できるよう、資源利用に関わる物質フローや性状、費用等の適切な循環利用と廃棄物処理に必要なデータの調査とデータベース整備を行う。


(7) 東日本大震災・原発災害に伴う災害・放射能汚染廃棄物対策に係る政策への貢献ができるよう、災害環境研究プログラムにおける取組を通して、科学的な基盤となる知見の提供を行う。

課題代表者

大迫 政浩

  • 企画部
  • フェロー
  • 工学博士
  • 工学
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担当者