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災害時の資源循環・廃棄物マネジメント強靭化戦略の確立(平成 31年度)
Establishment of disaster resilience in material cycle and waste management system

予算区分
AS 災害環境研究
研究課題コード
1620AS011
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
災害廃棄物
キーワード(英語)
disaster waste

研究概要

(ST1)災害廃棄物処理システムの統合的マネジメント技術の構築
災害時の資源循環・廃棄物マネジメント強靭化戦略の確立に向けて、技術システムとその技法について検討する。基礎自治体での地域防災計画における災害想定での災害ハザード情報を用いたWeb GISシステム上で災害廃棄物量を推定することが可能となるシステムの構築、災害廃棄物の特性や建設資材としての適用性を実証し、発生土等の建設副産物や、スラグ等の産業系副産物の合理的な利用の検討、実験的アプローチによるより再生利用率の高い災害廃棄物処理技術の提案を行う。また、自立型浄化槽システムの開発や既存インフラを活用したし尿・汚泥輸送ネットワークモデルや迅速な復旧を可能とする強靭な浄化槽システムを開発する。我が国の災害廃棄物ならびに腐敗性廃棄物管理の経験と技術・システム移転の方法論を構築する。
(ST2)円滑・適性な災害廃棄物処理等に向けた社会システムとガバナンスの確立
制度システムからは、将来の災害に備えた災害廃棄物マネジメントの枠組みとその手法を明らかにする。基礎自治体における災害廃棄物への対応力向上を目的とした効果的な計画策定プロセスの検討、緊急時における市民の環境リスク認知を踏まえた行政による環境リスク管理の戦略と手法の提示、行政と社会とのコミュニケーションのあり方を検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

(ST1)
実験的手法により、災害廃棄物を復興資材として利用する際の長期的な環境影響評価手法や自然由来重金属を含む津波堆積物や土砂の長期安全性評価手法を構築するともに、構造安定化技術や有効利用技術を提示する。展開場やベルトコンベア上における手選別の速度や精度に関係する選別対象物および選別人に起因する因子を室内実験等により人間工学的に明らかにし、手選別技術の仕様を定める。避難所における効果的な浄化槽利用方法について検討するとともに、効率的な輸送を確保するし尿・汚泥広域輸送ネットワークモデルと連携し,強靱な浄化槽システムの構築について検討する。
水害が頻発するアジアの大都市における水害廃棄物の管理実態に関する実地調査,廃棄物管理計画の脆弱性に対する評価手法の開発、自助、共助、公助による水害廃棄物管理計画の立案に向けた指針を提案する。
(ST2)
防災分野において検討が進められている「ハザードマップ」や被災地の被害状況を可視化できる「被災状況マップ」と連携し,迅速かつ精度よく災害廃棄物量を推定することが可能となるシステムを開発し、社会実装を行う。環境分野と防災分野との分野横断的な連携により災害廃棄物処理の日本型標準的マネジメントシステムを提示する。基礎自治体における災害廃棄物への対応力向上を目的とし、災害廃棄物対応力の評価手法の開発と効果的な計画策定プロセスを産官学協働で検討する。市民の環境リスク管理行動への態度や参加方法を明らかにし、平時からの切れ目のない緊急時環境リスク管理の戦略と手法を提示する。災害廃棄物対策に係る情報提供について、社会調査等の社会学的アプローチにより、行政と社会とのコミュニケーションのあり方を検討する。

今年度の研究概要

手選別技術における視認に係る因子と影響の分析を進める。津波堆積物の有効活用方策検討に向けて、津波堆積物の発生機構解明や難透水性材料の環境安全性評価手法の開発を進める。また、災害時の生活排水対策に関して、浄化槽の耐震性評価のための調査を進める。
中小規模自治体における災害廃棄物処理事例や事前の計画策定に係る事例の調査・分析を進め、災害や被災地の特性に応じた災害廃棄物処理のマネジメント論を展開する。また、アジア地域において、水路の閉塞から都市水害の発生に至る状況を評価可能な数理モデルを構築するとともに、水害被害の抑制に向けた、水路への廃棄物投棄行動の解析とその防止対策について自治体と協議を行う。

課題代表者

大迫 政浩

  • 資源循環領域
  • 領域長
  • 工学博士
  • 工学
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担当者