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次世代の3R基盤技術の開発(令和 2年度)
Development of Next Generation Technologies for“3R”

予算区分
AA 課題解決型
研究課題コード
1620AA025
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
バイオ燃料製造,バイオガス,分散型処理,計測技術開発,ナノ廃棄物,フガシティーモデル,燃料利用,技術実証,焼却,溶融,再資源化,マイクロプラスチック
キーワード(英語)
biofuel production,biogas,in situ treatment,development of monitoring techniques ,nano-waste,fugacity model,usage of biofuel,technology verification,incineration,melting process,recycling,mircoplastics

研究概要

廃棄物系バイオマスの利活用の推進では、原料の拡大に加えて既存インフラから新規インフラにおいて利用可能な次世代型の燃料・エネルギー化技術が必要とされる。また、低炭素化と環境汚染物質の排出削減との両立も期待される。一方、既存の一般廃棄物処理施設においては、資源回収の向上と最終処分場への負荷削減を 目指した次世代の中間処理技術が求められている。本プロジェクトでは、これらの次世代技術を研究・開発し、社会実装させ、環境イノベーションの実現や地域振興に貢献することを目的とする。また、ナノ廃棄物等の新規廃棄物の適正処理に対する知見が不十分であることから、将来に向けてそれらの適正処理技術を確立することも目的とする。内容としては、燃料変換技術と燃料利用技術の開発に向けて、技術システムの設計と評価、施設調査、数値モデル化等の手法を用いた 新規バイオ燃料製造技術システム及び中間処理技術を提案・実証する。また、新規廃棄物に対する計測技術の開発とそれらの処理における安全性評価等により新規 廃棄物の適正処理方法を検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

バイオ燃料製造技術及びバイオ燃料利用技術の開発では、3年目までに業務用の生ごみおよび厨房排水を対象として、メタンガスを回収しつつ処理性能がディスポーザー排水処理システムの規格を満たす装置を開発する。また、デュアルバイオ燃料製造技術の実証を行い、多様な燃料を利用する技術を確立する。加えて、バイオ燃料製造プロセス用の多媒体モデルを開発し、環境汚染物質の排出量最小化法を提案する。5年目には、開発した装置を既存インフラと連携できる新規分散型有機性廃棄物処理システムとして実証試験する。また、環境汚染物質の排出量最小化を実現するためのバイオ燃料製造システムを実証する。焼却や溶融等の熱処理技術の開発については、3年目までに熱処理施設の調査とモデル化を行い、熱処理工程における元素分配挙動と化学形態を解明する。5年目には、有用金属の回収効率の向上及び焼却残渣の最終処分や有効利用における環境安全性を向上させる熱処理技術を提案・実証する。新規廃棄物の適正処理に関する研究では、3年目までにナノ廃棄物の発生量と処理の状況を取りまとめるとともに、ナノ廃棄物処理過程でのナノ廃棄物の計測方法を開発し、処理過程における挙動を明らかにする。5年目には、安全性や経済性等の評価結果を基にしたナノ廃棄物の適正処理技術を提案し、検証を行う。

今年度の研究概要

分散型メタン発酵システムの開発では、廃油脂を投入する都市分散型メタン発酵システムにおける阻害性物質である高級脂肪酸のモニタリングについて、開発した手法を実証施設に適用し、安定運転における有効性を検証するとともに、モニタリング指標からの原料投入のフィードバック制御方法を検討する。高級脂肪酸による微生物阻害の、運転方式による相違のメカニズムを解明し、油脂を混合する際の適切な処理方式を明らかにする。メタン発酵施設内の環境汚染物質の挙動については、施設内のマイクロプラスチックの動態を明らかにするとともに、マイクロプラの性状等を明らかにする。
資源回収の研究では、乾式物理選別による焼却主灰中の有用・有害金属元素の分離研究として、解砕処理を組み合わせたエアテーブル選別実験を行う。1施設を対象に、落じん灰と焼却主灰の年間月別変動調査を行う。ストーカ炉を模擬した管状炉によるごみ種ごとの燃焼実験を行い、有価・有害元素の揮発/残留挙動を実験的に明らかにする。計測法の開発については、ナノ材料の排水処理時の挙動について調査し、焼却処理と合わせ現行の処理技術が適切であるかを検証する。また、マイクロプラスチックの計測法について廃棄物処理施設で採取した試料に適用し、妥当性を検証する。

外部との連携

竹中工務店、住友重機、トロント大学、タクマ、神鋼環境ソリューション、鳥取県、ヤンマー

課題代表者

倉持 秀敏

  • 資源循環領域
  • 副領域長
  • 博士(工学)
  • 化学工学,化学,工学
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担当者