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陸域モニタリング(令和 3年度)
Terrestrial Monitoring

研究課題コード
2125AX120
開始/終了年度
2021~2025年
キーワード(日本語)
陸域生態系,炭素収支,フラックス観測,気候変動,フェノロジー
キーワード(英語)
terrestrial ecosystem,carbon budget,flux measurement,climate change,phenology

研究概要

地球環境システムの現状把握とその変動要因の解明、およびそれに基づく地球環境変動の予測に資するデータを整備するため、次のモニタリングを推進する。
(1)森林をはじめとする陸域生態系において、温室効果ガス等の収支と、その変動を制御する生態系プロセスのモニタリングを行う。(2)地球温暖化の影響を早期に受けることが予想される高山帯植生において、気候変動は植物の生育範囲や生理活性に与える影響のモニタリングを行う。また、これらの観測に関する国内外ネットワークの中核的拠点として、観測手法の標準化、データの収集と流通促進を主導的に行う。
(2)地球温暖化の影響を早期に受けることが予想される高山帯植生を対象として、積雪・融雪時期,植生種の分布や活動状況のモニタリングを行う。また、これらの観測に関する国内外ネットワークの中核的拠点として、観測手法の標準化、データの収集と流通促進を主導的に行う。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

(陸域生態系炭素収支モニタリング)
国内のカラマツ林を主としフラックス観測タワーを設置している陸域生態系観測サイト(富士北麓フラックス観測サイト、天塩CC-LaGサイト、苫小牧フラックスリサーチサイト)において、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスや温暖化関連物質のフラックスを観測する。同時に森林を構成する要素別の炭素収支、および炭素収支を制御する生態系のプロセスを直接的にまたは分光反射特性や画像情報に基づく間接的手法で観測する。各観測サイトでは、フラックス観測ネットワーク(JapanFlux, AsiaFlux)および長期生態学研究ネットワーク(JaLTER, ILTER)の中核的拠点として、観測手法の標準化とデータ流通促進に取り組み、特にアジアにおける観測ネットワークの強化に貢献する。
(高山帯植生における温暖化影響モニタリング)
地球温暖化の影響を早期に受けることが予想される高山帯植生を対象として、積雪・融雪時期,植生種の分布や活動状況を山岳地域に設置した自動撮影型カメラの画像や航空写真に基づいて観測する。また、高山帯植生への温暖化影響に関する国内観測ネットワークの構築を進め、観測手法の標準化およびデータ収集と公開を推進する。

今年度の研究概要

 富士北麓サイトにおいては、個葉レベル、林分レベルの地上観測、衛星観測といった異なる空間スケール、異なる手法に基づいた炭素収支定量評価のためのモニタリングデータの総合的な整備を継続する。特に、衛星観測の検証を目的とした観測システムのの強化と短寿命成分も含めた森林生態系と環境の相互作用についての観測研究の検討を行うなど各種研究ネットワークの乗り入れる中核的観測基盤としての機能の強化を測る。間伐による人為撹乱やその後の大規模風害により発生した風倒木の増加が炭素収支に与える影響の追跡調査を継続する。天塩サイトについては、カラマツの育成課程を通した炭素・窒素の生態系内の循環過程の調査を継続し、群落構造の遷移と炭素収支の関連性を調べる。苫小牧フラックスリサーチサイトについては、新設したタワーでのフラックス観測データの整合
性の検証を行うとともに、フェノロジーカメラやCO2濃度プロファイル等の観測を開始し、統合的観測プラットフォームとしての基盤を整備する。
 国内の複数の高山帯植生において、気象の年々変動と長期的気候変化が植物の生育範囲や生理活性に与える影響を詳細に観測するための機器設置とデータ解析手法の確立を継続する。

外部との連携

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター、信州大学農学部、静岡大学農学部、北海道立総合研究機構、宇宙航空研究開発機構、高層気象台、長野県環境保全研究所、静岡県環境衛生科学研究所

課題代表者

高橋 善幸

  • 地球システム領域
    陸域モニタリング推進室
  • 室長(研究)
  • 理学博士
  • 化学,地学,生物学
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担当者