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森林バイオエアロゾル放出動態解明と福島事故による放射性セシウム飛散の定量的推定(令和 3年度)
Studies on bioaerosol emissions from forests and quantitative estimation of radioactive cesium resuspension

研究課題コード
2022CD014
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
放射性セシウム,再飛散,バイオエアロゾル
キーワード(英語)
Radioactive cesium,resuspension,bioaerosol

研究概要

本研究では、森林生態系からのバイオエアロゾル大気放出が主に起こると考えられる林床および樹冠部の両方について、それぞれにおけるバイオエアロゾルの濃度と構成、それらの季節変化と気温・湿度・風雨等の環境条件による変化について明らかにし、放出プロセスについて推定することを第1の目的とする。さらに第2の目的として、バイオエアロゾルの森林から上空への放出フラックスを測定し、特に樹冠部からの放出と対応付けて放出の定量的モデル化も試みる。同様に、高汚染の帰宅困難区域内の森林からのバイオエアロゾルおよび放射性セシウムの大気放出フラックスの同時測定により、それらを対応付け放射性セシウムの大気放出を定量的に理解する。それらの目的の達成により、バイオエアロゾルおよび放射性セシウムの大気再飛散のモデル化に大きく貢献でき、森林から植物病原体を含む真菌等の伝播、雲凝結核活性の高いバイオエアロゾルの大気濃度、将来にわたる福島汚染地区とその近傍における放射性セシウムの移行・拡散などの推定が可能となる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

気候および健康に影響を及ぼす大気中のバイオエアロゾルの放出フラックス、及び大気動態を解明すべく、下記の研究を実施する。
a) 地面および樹冠からのバイオエアロゾル放出フラックスの定量と環境条件との関係:
b) 森林から上空へのバイオエアロゾル放出フラックスの定量:
c) 福島の高線量地域の林内からの放射性セシウム放出フラックスの推定:
d) 自由対流圏におけるバイオエアロゾルのサンプリングと分析
e) 林内、及び領域スケールでのバイオエアロゾルの輸送・放出・沈着の定量化

今年度の研究概要

(0)バイオエアロゾル捕集フィルタの蛍光分析により濃度・構成を測定する手法開発
(1)林床及び樹冠部におけるバイオエアロゾルの種類ごとの放出量の季節及び短期変化の理解
(2)森林内およびその上方へのバイオエアロゾル放出フラックスの定量的理解
(3)福島帰宅困難地区内森林からのバイオエアロゾルによる放射性セシウム放出の定量的理解
(4)森林からのバイオエアロゾル・放射性セシウム放出のモデル化の検討

今年度は、主に項目(2),(3)の観測を実施する。さらに項目(1)で得られたデータの解析を進め、項目(4)の準備を進める。

外部との連携

茨城大学、香川大学、金沢大学、福島県立医科大学、国立科学博物館、富山県立大学、京都大学

関連する研究課題

課題代表者

森野 悠

  • 地域環境保全領域
    大気モデリング研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(理学)
  • 地学
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