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革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発(令和 3年度)
Innovative plastic resource recycling process technology development

研究課題コード
2024KA001
開始/終了年度
2020~2024年
キーワード(日本語)
プラスチック,リサイクル,選別,マテリアルフロー分析,ライフサイクル評価
キーワード(英語)
plastic,recycling,sorting,Material Flow Analysis,Life Cycle Assessment

研究概要

近年の中国の廃プラスチック輸入規制に端を発したアジア諸国の廃プラスチック輸入規制強化の問題などにより、これまで日本から輸出していた廃プラスチックを含むプラスチック資源について、リサイクルなどの適正な処理が急務となっている。また、「プラスチック資源循環戦略」(2019年5月31日策定)が策定され、革新的リサイクル技術の開発が日本政府の重点戦略の一つとして掲げられている。本事業「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」は、プラスチック製品の資源効率性、廃プラスチックの資源価値を飛躍的に高めるため、?「高度選別システム開発(新SR)」、?「材料再生プロセス開発(新MR)」、?「石油化学原料化プロセス開発(新CR)」、?「高効率エネルギー回収・利用システム開発(新ER)」の4つの研究開発項目を実施する。
このうち、研究開発項目?では、廃プラスチックの高精度な選別が可能な装置の導入によって、事業目的を達成する新SR技術を開発する。また、同開発項目ではLCA研究も実施し、評価に必要な基礎データを収集し更新すると共に、各リサイクルプロセスの最適化、発生源や処理施設の空間配置を考慮した技術選択モデル、時間軸から見た各手法の普及展開モデルを検討する。稲葉はこのLCA研究に参加する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

本研究では、新MR、新CR、新ERおよび新SRが社会全体に与える影響を評価する(トータルシステム評価)。プラスチック循環全体を評価対象とすることで、リサイクルの個別技術の部分最適ではなく、社会の全体最適像が検討可能となる。そのために、大きく3つの要素の研究項目からなる評価システムを構築する。すわわち、?LCAによる要素技術のプロセス評価モデル、?排出・処理の空間構造を考慮したリサイクル技術選択モデル、?将来シナリオ提案のための動的物質フロー分析モデルである。
このうち、?は特定地域を対象とした分析と全国を対象とした分析を行う。稲葉は後者を担当し、最適化手法を用いた排出源と再生技術のマッチング機能を持った、廃プラのリサイクル技術選択モデルを開発する。また、同モデルを適用して市町村や都道府県などの自治体規模での解像度で全国を対象とした廃プラの選別・リサイクルのシナリオを開発する。前述の特定地域でのモデル分析で得られた事業の実現可能性を考慮したパラメータ等も反映させる。

今年度の研究概要

市町村別の一般廃棄物系プラスチック、および都道府県別の産業廃棄物系プラスチックのフロー分析モデルを開発し、将来のフローの推計に着手する。また、技術選択モデルの開発に着手する。プラスチックの単一素材化などの製品改善に関する事業者へのヒアリング調査を実施する。

外部との連携

事業主:NEDO
プロジェクトリーダー:松方正彦教授(早稲田大学)
研究開発項目(1)−3(LCA研究)
委託先(代表):北九州市立大学(松本亨教授、藤山淳史准教授)
再委託先:東京大学(菊池康紀准教授、中谷隼講師)
再委託先:国立環境研究所(稲葉陸太主任研究員)

備考

研究経費は直接経費の税抜き額の概算で2020年度から2024年度までの合計です。

課題代表者

稲葉 陸太

  • 資源循環領域
    資源循環社会システム研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,システム工学,機械工学
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