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環境儀No.35 「環境負荷を低減する産業・生活排水の処理システム
-低濃度有機性排水処理の「省」「創」エネ化-」 (平成22年1月発行)

 人間活動に伴って発生する排水は産業排水が年間120億トン,生活排水が160億トンにものぼります。これらの排水は好気性微生物による排水処理技術の普及により,適切な処理が行われ,我が国の水環境は健全な状態に保たれています。しかしながら,生活・産業排水合わせて国内電力のほぼ1.5%に相当する膨大なエネルギーが曝気電力などで消費されており,下水処理にも省エネルギー型処理技術を組み込んだシステムの開発が急務となっています。

 本号では,嫌気性微生物を利用することで,多くのエネルギーを要する低濃度/低・常温の有機性排水を低エネルギーで高速処理することを実現する排水処理システムの実用化への取り組みを紹介しています。「省」エネルギーであるとともにメタンガスを効率よく生成する「創」エネルギーの機能も併せ持ち,次代を担う有機性排水の処理法として多くの期待が寄せられています。

(環境儀No.35ワーキンググループリーダー 村上正吾)