ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

適応と緩和を中心とした地域環境社会統合的なロードマップ研究(平成 29年度)
Study on development of integrated roadmap for environment and society at regional scale focusing adaptation and mitigation

予算区分
AA 課題解決型
研究課題コード
1620AA052
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
地域環境,影響評価,統合評価,社会実装
キーワード(英語)
Regional environment,Impact assessment,Integrated assessment,Social implementation

研究概要

持続可能な社会への転換を目指して,低炭素・資源循環・自然共生の各領域の取組が社会と環境へ及ぼす影響を、国土及び地域,都市のスケールで相互に整合的な分析が可能とできるマルチスケールのモデル群を開発する。地域、都市のの包括的な環境社会への実現方策を検討するともに,社会実装による効果検証の視点も加味した総合的な戦略づくりを実施する.具体的には,気候変動の緩和・適応をはじめ,資源循環や生物多様性・生態系保全を含めた環境問題解決のための施策の提案・効果分析に加え,地域活性化・回復などの環境,経済及び社会の観点から,その効果についても総合的・統合的に定量的評価が実施可能を目指し,国から地域・都市まで適用可能な汎用性を持ち,かつ異なる地域スケールの分析を相互に整合的に実施できるモデル群を開発する.開発したモデル群を用いて適応策と緩和策をはじめとした様々な環境問題の解決策を合わせた統合的な施策評価と実施計画の立案検討のための枠組みを構築するとともに,日本やアジアへ適用して社会実装も目指した科学的知見に基づく持続可能な社会実現への政策立案とその実現を支援する.また,エネルギー消費のような社会経済活動に加えて,制度・政策の根付きやそれに伴う実際の効果を検証できるなどの社会モニタリングシステムを構築し,開発した枠組みの有効性とそれを用いて立案・実施した政策の効果検証を実施するとともに,モデル群へフィードバックしてその高度化を進める.

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

本プロジェクトは、3つのサブテーマから構成される。PJ2(1)とPJ2(2)では、国から地域・都市まで適用可能な汎用性を持ち,かつ異なる地域スケールの分析を相互に整合的に実施できるマルチスケールのモデル群を開発する。なお、開発においてはアジアの国や省,都市においても適用可能とできることに留意し、PJ1で実施する世界モデル・アジアモデル(複数国を同時に対象とする)の分析と連携できるようにする。PJ2(1)では,社会経済状況や気候の変化に応じた様々な分野に生じる影響を,気候変動の影響・適応の視点を出発点として、持続可能な社会に向けての施策の効果を総合的・統合的に定量評価するためのモデルを開発し,PJ2(2)では,エネルギーシステムや資源循環、生物多様性保全や持続的生態系管理など、特に気候変動緩和策および関連する環境問題の視点を出発点に、地域の活性化・効率化などの環境、経済及び社会の観点からの効果を分析するモデルを開発する。PJ2(3)では、気候変動対策や環境改善のための技術、施策の社会実装の推進に合わせて開発する、エネルギー消費のモニタリングシステムを基盤として、政策や施策の進捗状況や効果をより高頻度かつ詳細に定量把握する社会モニタリングシステムを開発する。得られるモニタリングデータを用い、PJ2(1)及びPJ2(2)にて開発する枠組みの有効性を、具体的な対象に適用して検証する仕組みを構築する。
 さらに、すべてのサブテーマの成果を統合し、気候変動の緩和・適応をはじめ、資源循環や生態系保全を含めた環境問題に対して統合的な施策評価と実施計画の立案検討の枠組み構築と、社会実装も目指した科学的知見に基づく持続可能な社会実現への政策立案とその実現の支援、及び効果検証及び分析へのフィードバックまでの一連のプロセス(PDCAサイクル)を実施できる地域の包括的な環境社会実現方策の検討・戦略づくりシステムを実現する。

今年度の研究概要

PJ2(1):国土全体から都市までを対象としたマルチスケールにおける課題別の評価モデルを開発すると共に,統合評価プラットフォームの仕様を検討する.

PJ2(2):前年度に構築したモデルフレームワークに、地域スケールの統合評価モデルを組み込むとともに、エネルギーや技術以外の社会・経済の観点の分析ができるようにモデルフレームワークそのものを拡張する。また、前年度に対象とした都道府県以外へも分析対象を広げ、都道府県毎の経済・社会・技術の特性を勘案した気候変動緩和シナリオ分析を実施する。平行して、資源循環、自然共生及び安全確保の取組が社会と環境へ及ぼす影響を統合評価モデルへ取り込む手法について検討し、1ないしは2の都道府県もしくは地域にて試行する。以上の取組により、我が国の約束草案実現のための都道府県スケールでの気候変動緩和シナリオを提示し、特に都道府県や地域スケールでの気候変動対策の促進に貢献する。

PJ2(3):モニタリングシステムの改良とデータ取得を継続し、分析を行う。低炭素技術等のインベントリを整備し、エクセルギー効率の高いエネルギー・資源の利用方法を指向しながら、技術の組み合わせによる拠点地区のシステムの設計・評価が可能なモデルを整備する。都市、産業集積地区における関係者との意見交換、情報収集を進め、可能な対策について検討する。また、再生可能資源を活用した伝熱併給(コジェネレーション)システムについて、国内の地区を対象にフィージビリティ調査を行う。

課題代表者

肱岡 靖明

  • 気候変動適応センター
  • センター長
  • 博士(工学)
  • 工学
portrait

担当者