2015年6月30日
使用済み電気製品の国際資源循環
~日本とアジアで目指す E-wasteの適正管理~
環境儀 NO.57
![使用後に廃棄されるテレビやパソコン、携帯電話など電気製品の台数が増えています。電気製品には有害物質と資源が含まれているので、「危ない」と「もったいない」の両方を考える必要があります。国際資源循環研究では、日本や世界で使用済み電気製品が安全に資源として役立つようフローや適正管理のあり方を追求しています。](/kanko/kankyogi/57/jqjm10000005incx-img/jqjm10000005inmg.jpg)
便利な生活を支えている電気製品も、いつか必ずごみになります。使用済みの電気製品には有害性と資源性の両方の性質があるため、適正に回収し、リユースやリサイクルをすることが求められています。しかし、日本では使用済みの電気製品が金属スクラップに混入して、有害物質が海外に輸出されたり、港で保管された金属スクラップから火災が生じたりすることがあります。さらにアジア諸国では、野焼きされるなど使用済み電気製品が不適正に扱われることがあります。
国立環境研究所では、国内の使用済み電気製品の発生や回収などのフローを調べ、中古電気製品や金属スクラップとして海外にも輸出されている現状や制度の課題を明らかにしてきました。また、アジア諸国でも、輸入ばかりでなく国内で発生する使用済み電気製品に対して、処理の状況や環境影響などの調査に取り組んできました。
国内外で発生したり、国を超えて移動したりする使用済み電気製品を対象として、フローや適正管理のあり方を調べ、政策提言を行うのが国際資源循環研究です。本号ではこれまでの研究活動やその成果を紹介します。