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2018年12月27日

集中・分散の度合いを数値化する 「人口分布ジニ係数」

コラム2

 コラム1で1kmメッシュ人口を使うと市町村内の人口分布がわかることを紹介しましたが、人口分布の変化をみるには、分布の集中や分散の度合いを数値化する必要があります。集中・分散の度合いを測る指標のひとつとして「人口分布ジニ係数」があります。「ジニ係数」という言葉は、国民の所得格差を表す指標として聞いたことがあるかもしれません。

 国土交通省はこのジニ係数の考え方を人口分布に応用して、市町村別人口を単位として、全国の人口分布の集中・分散の変化を数値化しました。今回私たちは、1kmメッシュ別人口を単位として、市町村の人口分布の集中・分散(ここでは学術的に、偏在・均一という言葉を使います)を定量化しました。

 「人口分布ジニ係数」は0から1までの値をとり、1に近いほど偏在(集中)、0に近いほど均一(分散)を表します。図2に2005年の佐賀県佐賀市と群馬県太田市の人口分布と人口分布ジニ係数を示します。2つの市とも人口は同程度ですが、佐賀市の方が太田市よりも、人口が偏在していることがわかります。

 私たちは、この人口分布ジニ係数を使って、増加した場合を「偏在化」、減少した場合を「均一化」と定義しています。

2市の人口分布ジニ係数の違いを比べた図
図2 人口分布ジニ係数の例
図中の白いメッシュは、山、川、湖、森林など1980年以降に人が住んだことのないメッシュです。研究ではこれらのメッシュを除いて分析しています。

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