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2009年12月25日

残留性有機汚染物質の多次元分離分析法の開発に関する研究(特別研究)
平成18〜20年度

国立環境研究所特別研究報告 SR-90-2009

表紙
SR-90-2009 [5.8MB]

 この研究では、従来の環境汚染物質の分析法における問題点を解決することを目的に、高分離能力をもつ多次元ガスクロマトグラフ(GC×GC)と、広範囲の精密質量情報を網羅的に記録することができる高分解能飛行時間型質量分析計(HRTOFMS)を組み合わせた新しい分析方法を開発しました。

 ダイオキシン類の分析では、前処理を省略し、複数回必要だった測定を1回で済ませることを可能にしました。同時に、公定法による測定値と同等の結果を得ることができるようになり、これまで非常に困難だった迅速さと正確さの両立に成功しました。また、この方法を応用し、試料量を少なくすることも可能になり、POPsやPCBの分析では、必要な大気や河川水の試料量を数百分の一にしています。さらに、試料中の化学物質の情報を余すことなくデータとして保存することも可能にしました。その中には未知物資も多数含まれているはずです。この画期的な分析法の普及と各分野への貢献が期待されます。

(化学環境研究領域 橋本 俊次)

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