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社会変動を考慮した適応戦略に関する研究プロジェクト(令和 2年度)
Studies on Adaptation Strategies Considering Social Change

予算区分
AA 課題解決型
研究課題コード
1818AA001
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
気候変動,適応,適応政策,適応戦略
キーワード(英語)
climate change,adaptation,adaptation policy,adaptation strategy

研究概要

気候変動及びその影響の観測・監視・検出に関する研究プロジェクト並びに気候変動影響評価手法の高度化に関する研究プロジェクトと連携し、適応計画、科学的知見、及び適応実践の間に存在しうるギャップや阻害条件等を明らかにするとともに、効果的な適応戦略立案に必要な方策について検討する。
具体的には、適応に関わる要素・概念・評価手法を整理し、適応関連の科学的情報の集積・伝達のあり方の検討と、気候変動リスク認知及び適応実施の阻害要因の把握を行う。また、既開発の社会経済シナリオを収集・整備するとともに、日本全体及び国内自治体における気候変動影響・適応策・緩和策評価に利用可能な社会経済シナリオを開発、提供する。さらに、統計情報及び活動量・環境情報の実測値をもとに面的推計も含めた統計分析手法を組み合わせて適応策の効果等を定量評価するシステムや、地域社会・経済への影響連鎖を考慮した上で、生活の質(Quality of Life、QOL)指標により気候変動影響及び適応策を評価するフレームワークを開発するとともに、それらを用いた分析を実施する。加えて、国外で生じるさまざまな気候変動影響がわが国の生産活動や消費活動に及ぼす影響を、国際産業連関分析や応用一般均衡モデル分析等により明らかにする。
これらを通じて、効果的な適応戦略立案に貢献するとともに、得られた科学的知見やシステムをA-PLAT・AP-PLATを活用して公表することにより、地方自治体等の適応計画立案、適応策の策定、及びステークホルダーとのコミュニケーションを促進する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本課題は「適応の実践を支援する評価手法とリスクコミュニケーションに関する研究」、「社会システムモニタリングを用いた適応行動による効果推定手法の開発と地域社会での実装」、「地域資源を活用する環境型産業を支える気候変動適応策の検討」、「熱帯地域における都市水害による浸水軽減・環境汚染防止のための廃棄物適正管理手法の提案」、「気候変動影響を踏まえた日本の安全保障のあり方に関する研究」、「気候変動影響・適応評価のための日本版社会経済シナリオの構築」、「適応策立案支援のための地域循環共生圏指標の研究開発」、「自然保護区における気候変動適応オプションと管理策」の計8サブ課題で構成される。サブ課題毎に、気候変動の社会的影響の理解の拡充、適応策の効果の評価、適応策の事後評価手法の開発、適応の概念や評価手法の系統的把握、適応策の実践の支援に関わる研究、気候変化の社会的影響や適応策の評価を支える基盤情報の整備、のいずれかあるいは複数に取り組む。2018年度はデータ整備・手法検討等を中心に研究着手し、2019年度に本格的な手法開発や分析試行に取り組む。最終年度の2020年度には分析結果等をとりまとめるとともに、A-PLAT・AP-PLATを通じて、開発した手法や得られた知見の公表・配信にも取り組む。

今年度の研究概要

適応に関わる要素・概念等の整理、適応関連の科学的情報の集積・伝達のあり方の検討等について、成果をとりまとめる。また、日本域を対象とした社会経済シナリオの開発を拡張し、所内の影響予測・適応評価研究等に対して定量シナリオの提供を行う。地域資源を活用する環境型産業を支える気候変動適応策の検討については、現状および将来のバイオマス生産量の定量的推計を実施する。また、生活の質(Quality of Life、QOL)指標により気候変動影響及び適応策を評価するフレームワークを活用し将来シナリオ評価を実施し、自治体等の適応策立案プロセスへの活用方法を検討する。加えて、国外で生じる気候変動影響がわが国の生産・消費活動に及ぼす影響について、データ整備・手法開発・モデル分析を実施する。さらに本研究を通じて得られる科学的知見や構築するシステムのA-PLAT及びAP-PLATを活用した公表について検討・実施する。

課題代表者

高橋 潔

  • 社会システム領域
  • 副領域長
  • 博士(工学)
  • 土木工学,工学
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担当者